私の授業では『論理エンジン』以外にも、いろいろな教材を使います。
 教科書の文章も使いますが、大学入試や新書の文章などを借りて、「主体的に頭を使う」経験を多くつませることを心がけています。

 現代文の授業では「課題文章(教科書の文章を含めて)」について教師が「発問」し、それに生徒が「回答」するというスタイルが多くなりがちです。
 入試問題などは出題者が本文中の注目ポイントに予め傍線を引き、それについて発問が付く形式が主流であり、まさに従来型の現代文授業スタイルの集大成がそこにあるといえるでしょう。
 回答する生徒はあくまでも受動的であり、「正解を当てる」ために、それまでに「習った」多くの読解術を駆使します。
 もちろんこの一連の活動でも当然頭は使っています。しかしそれは「正解」にたどり着くための思考であり、収斂的な頭の使い方です。

 この思考スタイルから離れ、課題文章に対して自分自身で問いを立てること、これは生徒たちにとっては極めて高いハードルです。しかし、これが私が考えている「頭を使う」ことであり、その経験を通して得た「思考ルート」だけが、将来の生徒たちを支えていく「力」になると考えています。

 現在の授業では、ある行政サービスについて成功した自治体について書かれた文章を生徒たちは読んでいます。そして、そこで語られているさまざまな事柄について自分であるいは自分たちで問いを立てることに取り組んでいます。
 個人での取り組みが終わり、昨日の授業でグループ・ワークへ展開したところです。
 時機を見て内容についてお話したいと思います。