(5)立論の作成
立論の作成において重視して指導しているのは「端的でわかりやすいこと」、つまり
「論理的であること」です。
生徒たちには年度当初に「PREP法」を教えてあり、通常の授業中でも、また毎回の
授業で取り組んでいる「マイコン」においてもPREPは常に意識させるようにしています。
立論は2分間です。時間は十分にあるので、かえって冗長になることが想定されます。
十分に論理構成された立論になるよう、アドバイスを与えていきます。
(6)他派の立論の予想、自派への質問の予想
前述のように自派の立論は十分に準備しますので、どのグループもそれなりの
クオリティのものが出てきます。ところが実際にディベートマッチを行うと質疑応答
および論戦の場面でほぼ議論にならないケースがしばしば出現します。このことの
原因は唯一であり、それは「相手の立場に立って物を見ること」の欠如です。
学校でのディベート学習はできるだけ授業時間で完結するようにしていますので、
生徒たちが持っている時間量が絶対的に不足しているため、これはやむを得ない
ことなのですが、グループ内で役割分担をするなどの工夫をして、できるだけ「相手の
立場から論題を斬る」ことも経験させていきます。
(7)サンプル・ディベート
一通りの準備が済んだところで、一組をサンプルとして選び、ディベートマッチを
行います。
このディベートマッチは時間通りに進行するのではなく、途中途中で私が口を挟み、
修正すべき点を指示したり、課題点を生徒たちに考えさせたりします。
実践から学ぶことで、特に質疑応答や論戦の場面での躓きにどう対応すべきなのか
考えさせていきます。
続きは、改めてご紹介したいと思います。

10月10

2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。
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