「第10回」 7月5日 3・4時間目(通算第19・20回)
教材:教科書
(1)マイコンの発表とコメント
今回のテーマは、「旧石器時代の人骨が、沖縄県で大量に発見された。」でした。
教材:教科書
(1)マイコンの発表とコメント
今回のテーマは、「旧石器時代の人骨が、沖縄県で大量に発見された。」でした。
ばらばらにならずに、元の姿にほぼ近い形で発見されたものもあり、歴史的にも価値ある
発見なのだそうです。発表者からは「こういう発見を通して逆に現代を見つめなおすことが
できる。」との意見が披露されました。
コメンテーターからは、大昔の情報が明らかになることで歴史という「つながり」を感じる
ことができる、わからないことが明らかになり、教科書の内容もよりよいものになる、など、
歴史的な価値について意見が出される一方で、
・地球の磁場は、かつては逆転していた。
・千葉県には大昔を知ることができる断層がある
などの話が出され、これらも昔の出来事を創造したり、身近で観察できたりする例であり、
今回の人骨発見とあわせて、新たな歴史認識の可能性につながるといったコメントも
発表されました。

(2)『羅生門』
13段落以降を「人物+場面=心情」の思考ルートに従って読み進めていきます。
今回の「めあて」は、いわゆる従来型の小説文の読み取りではなく、思考ルートの
お作法を実践を通して身につけることにありますので、そこに焦点化します。
学習に流れはテキスト『思考ルート』に沿って行いますが、今回は時間的な余裕が
ありません。そこで私が『思考ルート』を書くにあたって特に重点を置いたポイントに
絞って学習を進めました。
・大きな場面は明確に分けられる。それをもれなくチェックする。
・大きな場面の中での「行動描写」に着目し、小さな場面の「転換」ポイントを
おさえる。
・会話文と行動描写から心情を言語化する。
(3)『羅生門』のテーマとディベート … グループ学習
この作品で作者が描き出そうとしていたテーマのうち、
「生きるための悪は許される」
を取り上げ、肯定・否定の各立場から立論を作ります。
※実際にディベートマッチを行うわけではありません。ディベートの体裁を借りる
ことによって、より緻密に、そして論理的に『羅生門』の世界にアプローチさせる
ことが狙いです。
取り上げたテーマもわかりやすく、ディベートにも興味を持っている集団ですので、
生徒たちはすぐに生き生きと話し合いを始めます。
ところがまもなく拡散する話し合いが行われてしまっていることに気づく生徒が
出てきます。狙い通りの展開です。
話し合いが拡散する原因を問いかけると的確な回答が返ってきます。すなわち、
「テーマが定義されていない」
といった回答です。
「生きる」 … 生命体として生きるということか、人間として最低限度の生活が
維持できているということか、あるいは…
「悪」 … どの程度の悪か、法律的判断なのか、道徳的判断なのか、例えば善悪
の判断といった時の悪はそもそも相対的な価値なのでは。
「許される」 … 何をもって、あるいは何によって許されると考えるのか。これもやはり
主観的かつ相対的なものなのではないか。
生徒たちとのやり取りの中から、概ね以上のような観点が取り出されました。そして
これらを定義していくにあたっては、例えば作品世界の中で定義するのか、作者が
作品を著した時代背景の中で定義するのか、あるいは現代の私たちの価値観の中で
定義するのか、そういった観点も不可欠であることをクラスで共有していきました。
今回は、残念ながらここで時間切れです。当初の構想ではこれらの「価値(観)」を
論理的に言語で構成するところまで進みたかったのですが、間に合いませんでした。
2学期にはまた違ったテーマを取り上げ、今度はディベートマッチを前提として生徒たち
の思考力を育てていきたいと考えています。
発見なのだそうです。発表者からは「こういう発見を通して逆に現代を見つめなおすことが
できる。」との意見が披露されました。
コメンテーターからは、大昔の情報が明らかになることで歴史という「つながり」を感じる
ことができる、わからないことが明らかになり、教科書の内容もよりよいものになる、など、
歴史的な価値について意見が出される一方で、
・地球の磁場は、かつては逆転していた。
・千葉県には大昔を知ることができる断層がある
などの話が出され、これらも昔の出来事を創造したり、身近で観察できたりする例であり、
今回の人骨発見とあわせて、新たな歴史認識の可能性につながるといったコメントも
発表されました。

(2)『羅生門』
13段落以降を「人物+場面=心情」の思考ルートに従って読み進めていきます。
今回の「めあて」は、いわゆる従来型の小説文の読み取りではなく、思考ルートの
お作法を実践を通して身につけることにありますので、そこに焦点化します。
学習に流れはテキスト『思考ルート』に沿って行いますが、今回は時間的な余裕が
ありません。そこで私が『思考ルート』を書くにあたって特に重点を置いたポイントに
絞って学習を進めました。
・大きな場面は明確に分けられる。それをもれなくチェックする。
・大きな場面の中での「行動描写」に着目し、小さな場面の「転換」ポイントを
おさえる。
・会話文と行動描写から心情を言語化する。
(3)『羅生門』のテーマとディベート … グループ学習
この作品で作者が描き出そうとしていたテーマのうち、
「生きるための悪は許される」
を取り上げ、肯定・否定の各立場から立論を作ります。
※実際にディベートマッチを行うわけではありません。ディベートの体裁を借りる
ことによって、より緻密に、そして論理的に『羅生門』の世界にアプローチさせる
ことが狙いです。
取り上げたテーマもわかりやすく、ディベートにも興味を持っている集団ですので、
生徒たちはすぐに生き生きと話し合いを始めます。
ところがまもなく拡散する話し合いが行われてしまっていることに気づく生徒が
出てきます。狙い通りの展開です。
話し合いが拡散する原因を問いかけると的確な回答が返ってきます。すなわち、
「テーマが定義されていない」
といった回答です。
「生きる」 … 生命体として生きるということか、人間として最低限度の生活が
維持できているということか、あるいは…
「悪」 … どの程度の悪か、法律的判断なのか、道徳的判断なのか、例えば善悪
の判断といった時の悪はそもそも相対的な価値なのでは。
「許される」 … 何をもって、あるいは何によって許されると考えるのか。これもやはり
主観的かつ相対的なものなのではないか。
生徒たちとのやり取りの中から、概ね以上のような観点が取り出されました。そして
これらを定義していくにあたっては、例えば作品世界の中で定義するのか、作者が
作品を著した時代背景の中で定義するのか、あるいは現代の私たちの価値観の中で
定義するのか、そういった観点も不可欠であることをクラスで共有していきました。
今回は、残念ながらここで時間切れです。当初の構想ではこれらの「価値(観)」を
論理的に言語で構成するところまで進みたかったのですが、間に合いませんでした。
2学期にはまた違ったテーマを取り上げ、今度はディベートマッチを前提として生徒たち
の思考力を育てていきたいと考えています。