「第4回」 5月24日 3・4時間目(通算第7・8回)

教材:中間考査、教科書

(1)マイコンの発表とコメント

   今回取り上げられたテーマは「日本人の航空機パイロット人数の不足」でした。
   発表者の観点は2つあります。
   1点目は、人数不足に伴い、運行の安全に対する信用が低下するということ
   2点目は、かつては「将来就きたい職業」ランキングで常に上位にあった
   パイロットが、いまや上位に入ってこないということ
   でした。
   1点目については、日本のパイロット試験は諸外国に比べて難しく、それゆえ
  資格を取得できる人間が少ないことも一因にはあるが、試験の質を落とすことに
  は反対であるとの立場でした。
   また2点目については、将来の職業とはすなわち「夢」そのものであるとの
  切り口から、最近の上位に「You Tuber」が入っていることを挙げ、子供の「夢」
  が大きく変わって来ている現状についての意見発表がありました。

   コメンテーターからは、例えば高速バスのドライバーの過重労働がもたらした
  悲惨な事故の例をもとに、多くの人命を預かる職業に就く人間の質と量について
  の意見が述べられたり、兄弟がたまたまパイロットを目指していた話などが披露
  され、聞き手側の生徒たちも引き込まれていました。

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    マイコン終了後は中間考査の返却、そして席替えを行い、新たな顔ぶれの
   グループで、1学期後半の授業がスタートしました。


(2)授業の流れ

   ① 教科書p『水の東西』
      
       『論理エンジン』OS1では原則として1文で学習をしています。
      また取り上げる文の内容も小学4年生レベルのものです。もちろんそこには
      「論理に集中させる」という意図があり、わざわざそのような文を『論理エン
      ジン』では取り上げているわけですが、それだけだと高校生は飽きてしまい
      ますから、適宜、年齢に合った文章を読みながら、その中で『論理エンジン』
      での学習事項を確認していくことが効果的です。

       この確認のための教材は教科書であっても、そうでなくても全く構いません。
      私の授業では大学入試問題を取り上げたり、面白いテーマを取り上げている
      新書を使ったりしています。

       今回は、いわば高校国語の定番教材である『水の東西』を取り上げることに
      しました。

 
   ② 全文通読

      ・各自で黙読します。時間は5分間程度と伝えておきます。
      ・「気になるところにはマークをしながら読みましょう」というアドバイスのみ、
       与えておきます。

   ③ 内容確認

      ・読み終わったところで、教科書を閉じさせ、あらかじめ配布しておいた
       罫線のみの用紙と筆記具を用意させます。
      ・以下の質問をし、それについての回答を用紙に書かせていきます。
        ・「この文章のテーマはなんでしたか。」
        ・「そのテーマについて、筆者は何を主張していましたか。」
        ・「自分の主張を印象的に伝えるために、筆者はどのような工夫を
         していましたか」
        ・「具体例として筆者は何を挙げていましたか。」

      ・この学習の狙いは2つです。
       1つは、自分の「メモリー活用度合い」を自覚することです。
       同じように文章を読んでいるように見えても、生徒の中にはたいてい
       以下の3パターンの生徒がいます。すなわち「眺めている」「読んで
       いる」「読解している」の3パターンです。自分がどのパターンなのか
       自覚させることが、今後の学習を効果的に進めるためには重要です。
       2つめは、「メモリーを活用すること」の重要性を自覚させることです。
       これはOS2の学習の橋渡しとなる事項です。

      ・せっかく全文を通読しましたので、メモだけをもとにして先ほどの発問
       項目についてクラス全体で意見を出し合い、まとめていきます。
       (展開の詳細は割愛します。)

    ④ OS1への落とし込み

      ・段落読みを通して、OS1での学習内容を確認させていきます。
      ・今回は第1段落まででチャイムになりました。

(3)まとめ

  ・本校の生徒の場合、従来型の指導ステップでの『水の東西』の学習は
   本時の学習をもって完了とすることができます。
  ・次回は第2段落以降について、「OS1」で学習した論理スキルを落としていく
   ことになります。