講座の後半では、先ほどのリスニングで使った文章を題材とした演習問題を扱います。

 リスニング部分を問題文として、設問も付けてあります。設問は指示語や接続詞の解法ルートが点検できる問題や、段落の要点を考えさせる問題など、OS1・OS2での学習が活かせるように工夫しました。
 特にこの段階では全文を踏まえさせるような問題は平易なものを1問だけ用意するにとどめ、基本的には各形式段落を論理に従って読解することで正解できるようにしておきます。

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 『論理エンジン』での学習成果を実感させるためには、ある程度の長さの初見文に取り組ませることが不可欠です。
 その教材として既成の問題集を使うことも悪くはありませんが、できれば「目の前の生徒」に合わせて教師が自作するのが良いと、私は考えています。

 あてがい扶持のものではなく、教えている生徒に合わせた演習問題、そして自分の指導意図をしっかり反映させた演習問題は、最低限の時間で大きな指導効果を上げることができます。

 その教材文には教科書の文章を使ってももちろん構いません。特に教科書と『論理エンジン』との指導の両立を重視している場合には、積極的に教科書の文章を使い倒すのが良いと思います。

 一方で、私の場合は、教科書を使うこともありますが、新書から課題文を調達することのほうが多くなっています。これは、「せっかく文章を読むのなら、生徒に問題意識を持ってもらいたいテーマの文章を読ませたい」という意図があるからです。教科書の文章も、いろいろなカテゴリから、良く練って採られてはいます。しかし残念ながら(検定の都合があるため)話題がタイムリーでないのです。

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 読解や鑑賞の指導ばかりが国語の授業ではありません。与えられた教材を与えられたままに生徒に提供するのは教師の仕事ではありません。読解や鑑賞を通して生徒に見せたい景色が、必ず教師にはあるはずです。それを「演習問題」あるいはディベートテーマという形で生徒に提供していくことで、単位時間当たりの学習効果も違ってくると考えています。

 今回のセミナーでは、私がしゃべりすぎて「学びあい」を満足に行っていただくことができませんでした。隣席の先生との相談程度になってしまいました。
 「学びあい」を楽しみにして参加してくださった先生方、申し訳ありませんでした。

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 今年度の「授業力向上セミナー」は今回が最終回です。
 次年度の取り組みについては、現在検討しています。できるだけ多くの先生方のニーズにお応えできるように努力していきたいと思います。
 

 あさっては名古屋で出口先生とのコラボ講演会です。
 名古屋は夏にN中学高等学校の教員研修の講師で伺い、楽しくそして勉強になる時間を過ごさせていただきました。
 今回はいろいろな学校の先生方にお会いすることができるので、教員研修とはまた違った楽しみがあります。
参加予定の先生方、よろしくお願いいたします。、