本校では、昨年度まで『論理エンジン』を学習できるのはS類だけでしたが、
『思考ルート』ができたことで、今年度よりD類でも『論理エンジン』を学ぶことが
できるようになっています。
多くの学校で、『論理エンジン』の学習効果について高く評価しているにもかかわらず、
その導入に踏み出せない一番の理由は、
「教科書の学習と両立させることができるだろうか」
という悩みを先生方がお持ちだからです。
たしかに『論理エンジン』を効果的に指導するためには、指導者に相応の指導スキルが
求められます。
したがって『論理エンジン』の指導経験のない先生にとっては不安が先立つのも
無理はありません。
しかし、『論理エンジン』は決して難解な教材ではありません。しかも現代文の学力だけでなく、
「脳力」そのものを鍛え上げることができる教材です。
高校生という、極めて柔軟な思考ができるこの時期には不可欠な教材とも言えます。
そこで、無理なく「教科書の指導」と「論理エンジンの指導」とを両立させるために開発したのが
『思考ルート』なのです。
今回は、本校で今年度より『論理エンジン』『思考ルート』の指導に取り組み始めた
槌谷先生の授業を紹介します。
******************************************************************************
槌谷先生は教師歴20年以上のベテラン教師です。当然「自分の指導スタイル」も
確立されています。
しかし、一方でその「自分流」に固執することなく、いろいろな指導方法についてもアンテナが高く
新しい指導法の研究に熱心に取り組んでいらっしゃいます。
さて、今回の授業の教材は『羅生門』です。高校生が学習する代表的な小説教材の一つです。
「『論理エンジン』で小説が読めるようになるの?」
… この問いは私も多く耳にしてきました。
おそらく槌谷先生も、かつては同じ疑問を持たれていたはずです。
しかし、すでに2か月以上にわたって教科書の教材を、『論理エンジン』と『思考ルート』を使って
指導してこられていますので、槌谷先生の中で、この疑問に対する明快な答えが出ています。
「小説を読むときに必要な力は2つです。1つは鑑賞力。もう一つが読解力です。」
「鑑賞」とは極めて高度で、しかもごく個人的な読解姿勢であり、それに対して読解力とは極めて
客観的な読解姿勢であるということが、『思考ルート』を使いながら、わかりやすく生徒に伝えられていきます。
次に、作品の文学史的な事項の説明を経て、いよいよ作品本体に入っていきます。
この時点で『思考ルート』はいったん閉じさせ、教科書だけが開かれています。
ここでは「本文通読」、「大きな場面の切り分け」といった、オーソドックスな小説読解の手順が展開されていきます。そして、そのあとでごく自然に『思考ルート』学習への橋渡しとなる発問が提示されます。
「では、初めの文から少し丁寧に読んでいきます。この部分から『読解』できる、下人の心情を考えてみましょう。」


この発問の裏には、
「人物+場面→心情」 … 「思考ルート6」
が意識されています。それをいきなり『思考ルート』で学習させるのではなく、
「教科書だけ」を使って生徒に提示しているのです。
ここでは開智流の学習スタイル「学びあい」も取り入れられています。
生徒たちはグループの中で意見交換しながら、作品にアプローチしていきます。
ある程度話し合いがまとまった時機を見て、生徒に発表させます。そして、そのあとで
『思考ルート』を使って、今までの学びを確認させていくのです。


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今回の授業は『思考ルート』を導入した「教科書」指導の大きな可能性を示唆した授業であったと感じました。
私自身も想定していなかった『思考ルート』の「新しい使い方」を教えてもらうことができました。
今年度は槌谷先生含め、4名の教師が『論理エンジン』『思考ルート』そして教科書を使って授業を行っています。
それぞれの先生方の実践については、このブログでもどんどん取り上げていきたいと思います。
また、全国で『思考ルート』をお使いいただいている先生方からもいろいろな実践例を教えていただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
『思考ルート』ができたことで、今年度よりD類でも『論理エンジン』を学ぶことが
できるようになっています。
多くの学校で、『論理エンジン』の学習効果について高く評価しているにもかかわらず、
その導入に踏み出せない一番の理由は、
「教科書の学習と両立させることができるだろうか」
という悩みを先生方がお持ちだからです。
たしかに『論理エンジン』を効果的に指導するためには、指導者に相応の指導スキルが
求められます。
したがって『論理エンジン』の指導経験のない先生にとっては不安が先立つのも
無理はありません。
しかし、『論理エンジン』は決して難解な教材ではありません。しかも現代文の学力だけでなく、
「脳力」そのものを鍛え上げることができる教材です。
高校生という、極めて柔軟な思考ができるこの時期には不可欠な教材とも言えます。
そこで、無理なく「教科書の指導」と「論理エンジンの指導」とを両立させるために開発したのが
『思考ルート』なのです。
今回は、本校で今年度より『論理エンジン』『思考ルート』の指導に取り組み始めた
槌谷先生の授業を紹介します。
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槌谷先生は教師歴20年以上のベテラン教師です。当然「自分の指導スタイル」も
確立されています。
しかし、一方でその「自分流」に固執することなく、いろいろな指導方法についてもアンテナが高く
新しい指導法の研究に熱心に取り組んでいらっしゃいます。
さて、今回の授業の教材は『羅生門』です。高校生が学習する代表的な小説教材の一つです。
「『論理エンジン』で小説が読めるようになるの?」
… この問いは私も多く耳にしてきました。
おそらく槌谷先生も、かつては同じ疑問を持たれていたはずです。
しかし、すでに2か月以上にわたって教科書の教材を、『論理エンジン』と『思考ルート』を使って
指導してこられていますので、槌谷先生の中で、この疑問に対する明快な答えが出ています。
「小説を読むときに必要な力は2つです。1つは鑑賞力。もう一つが読解力です。」
「鑑賞」とは極めて高度で、しかもごく個人的な読解姿勢であり、それに対して読解力とは極めて
客観的な読解姿勢であるということが、『思考ルート』を使いながら、わかりやすく生徒に伝えられていきます。
次に、作品の文学史的な事項の説明を経て、いよいよ作品本体に入っていきます。
この時点で『思考ルート』はいったん閉じさせ、教科書だけが開かれています。
ここでは「本文通読」、「大きな場面の切り分け」といった、オーソドックスな小説読解の手順が展開されていきます。そして、そのあとでごく自然に『思考ルート』学習への橋渡しとなる発問が提示されます。
「では、初めの文から少し丁寧に読んでいきます。この部分から『読解』できる、下人の心情を考えてみましょう。」


この発問の裏には、
「人物+場面→心情」 … 「思考ルート6」
が意識されています。それをいきなり『思考ルート』で学習させるのではなく、
「教科書だけ」を使って生徒に提示しているのです。
ここでは開智流の学習スタイル「学びあい」も取り入れられています。
生徒たちはグループの中で意見交換しながら、作品にアプローチしていきます。
ある程度話し合いがまとまった時機を見て、生徒に発表させます。そして、そのあとで
『思考ルート』を使って、今までの学びを確認させていくのです。


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今回の授業は『思考ルート』を導入した「教科書」指導の大きな可能性を示唆した授業であったと感じました。
私自身も想定していなかった『思考ルート』の「新しい使い方」を教えてもらうことができました。
今年度は槌谷先生含め、4名の教師が『論理エンジン』『思考ルート』そして教科書を使って授業を行っています。
それぞれの先生方の実践については、このブログでもどんどん取り上げていきたいと思います。
また、全国で『思考ルート』をお使いいただいている先生方からもいろいろな実践例を教えていただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
『思考ルート』は高校1年生で学習する「国語総合」の教科書に準拠した教材ですので、2年生では使用しません。
S類2年生は昨年度から引き続き、『論理エンジン』を学習しています。