今日は4月に開智に入学する予定のみなさんたちの登校日です。

開智では入学手続きをした入学予定者を対象にして、開智生になるための準備を少しずつ始めます。
入学手続きをする時期は人によって異なりますが、それぞれの段階に応じて準備を始めるのが開智の特徴です。

今日参加をしている入学予定者のほとんどは2回目の登校日ですので、初対面ではないのですが、それでも入学前ということもあり、みんなとてもお行儀よくしています。

さて、今日は2つの講座を行い、前半を私が担当しました。

テーマは「クリティカルに思考しよう」です。

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今日登校してきた入学予定者に限らず、開智に入学してくる生徒は平均してとても「素直」な生徒が多いように感じます。おそらく教師や親の言うことをよく聞く子なのだとも思います。

一方で、彼らの気持ちのどこかに「そうしているのが一番楽だから」「言うことを聞いていれば、まあ何とかなるから」というような「消極的行動動機」があるのではないかという危惧もあります。

たしかに周りの大人の言うなりに行動していれば、大きく間違うことはないかもしれません。しかし、それでは主体性はいうまでもなく、行動力も判断力も思考力も育ちません。

開智では「人から指示されて行動する人間」を育てようとは思っていません。状況を判断し、自分の経験や知識にそれを照らして思考し、主体的に行動できる人間を育てようとしています。

そのためには、まず自分の周りに氾濫している情報(これには周囲の大人たちの意見ももちろん
含まれます)について「それは本当かな?」「先生の言っていることは正しいのかな?」と疑問を持つことから始める必要があります。


「クリティカルな思考」とは、そのまま訳すと「批判的な思考」ということになります。しかし「批判的」といっても、他人のアラ探しをするわけではありません。
例えば、私たちは、話相手が年長者であったり、偉かったりすると、その人の発言が正しく聞こえてしまうようなことがあります。しかし、もしかしたらその発言は間違っているかもしれません。良く考えてみると、発言内容そのものについて考えて「正しい」と判断したわけではなく、話し相手の年齢や社会的地位によって「正しい」と思い込んでしまっただけかもしれないのです。

開智で学ぶ生徒には「真実を見極めようとする姿勢」を身につけて欲しいと思っています。そのため、今回の入学予定者にも「クリティカルに思考しよう」というテーマでお話をし、いくつかのワークに取り組んでもらいました。
このワークは、4月から彼らが取り組む『思考ルート』と『論理エンジン』の学習ベースにもなる内容です。

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開智の学習ですから、私が一方的に話をするばかりでなく、当然のように「学びあい」があります。
とはいうものの、写真でお分かりなように会場が狭いため、なかなか十分な話し合いができませんでした。
それでも席の近いもの同士でいろいろと意見を交わしながら、考えを深めてくれたようです。

入学予定のみなさん、お疲れさまでした。
この後にも行われる講座を通して、1日も早く「開智生」になれるように、一緒に準備をしていきましょう。