3学期は教師にとっても「締めくくり」の時期です。
 多くの学校では生徒対象に授業アンケートを実施するなどして、自分の指導についての客観的なデータを集め、個人で、教科で、学校全体で振り返りを行い、課題を具体化しながら、次年度に向けた指導方法を構築していきます。
 特に教科や学校という単位での課題が明確になってくると、課題の深い理解や克服のための方法を具体化するために「研修」の機会を多く持つようになります。
 さらに今年度は大学入試の仕組みが大きく変わる学年の生徒が高校に入学してきた年度ということもあり、さまざまなテーマでの研修やセミナーが多数開催されています。
 このような背景があってか、校内研修にお招きいただく機会が例年以上に多く、約一ヶ月の間に山口県、神奈川県、三重県の学校の先生方とともに勉強することができました。
 いずれの学校でも「学力の3要素」のうちの1つ「論理的な思考力や判断力、表現力」の効果的な育成に焦点化した研修となりました。
 
 いずれの学校での研修も基本となる「テーマ」に大きな違いはありません。しかし、生徒が違えば当然指導の仕方が変わるのが教育の本質です。教育はマニュアル化することができず、常に変化と進化とが求められます。
 このことの裏を返せば、いろいろな学校の先生が集まるセミナーでは、基本となる部分についての解説や共有はできるものの、もっとも肝心な「生徒の顔を頭に描いた研修」は困難です。セミナーで学んだことを後で自校にあわせてアレンジする必要があります。
 その点、学校別の研修は「その学校の生徒」だけを考えて私は話をすることができ、それを基に先生方とディスカッションしたり、質疑応答をすることができます。短時間でも効果が上がる研修ということができます。

 今回お招きいただいた学校については、新年度の指導が軌道に乗り始めた時期に、もう一度意見交換の機会を持ちたいと考えています。そうすることで今回の研修の効果をいっそう高めることができるとともに、私自身も勉強をさせていただくことができます。
 各校の先生方、再会できることを楽しみにしております。