2018年06月

授業009

今回の授業は『水の東西』のグループ発表です。

 生徒は4人ずつの8グループに分かれて学習しており、各グループの発表時間は
5分以内としてあります。発表自体にかかる時間に加えて各発表についての評価シートを
書く時間や、発表に向けての最終調整などの時間も必要であるため、今日はマイコンを
行いません。

 授業のはじめは、今までの学習の流れを振り返りました。

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 その後、グループに分かれて最後の打ち合わせなどを行います。
 広いスペースが必要になるため、2教室に分かれての取り組みとしました。

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 いよいよ発表です。

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 発表の様子はVTRに残してあります。

 私の授業では2学期以降もディベートやポスターセッションなど、生徒たちが
発表する場面がたくさんあります。
 そのときに、以前の発表の様子が映像で残っていると、それを振り返ることによって
さらに質の高い学びをすることができます。


 今回生徒たちが取り組んだマインドマップや聞き取りメモ、学習プリントや評価シートなどは
大阪の7月セミナーに持っていきます。興味がおありの先生方はセミナーにお越しください。

授業008

先週末に文化祭が終わり、1学期もあと1ヵ月です。

 今日のマイコンテーマは「他人の発言・ことばの意味を、わざと違えて使用すること」についてでした。
 SNSの世界を象徴するような一つの流行ですが、これを捉えて批判的なマイコンが述べられました。本来の発言者を冒涜する、きわめて悪質な使い方であるとの意見です。
 コメンテーターからも、言葉を正しく使うことの価値、あるいは著作権といった観点から批判的意見が述べられました。

 マイコンの後は先週の続きの『水の東西』です。
 今日は先週の教材を使ったグループ活動からスタートしました。学習のめあては、
 1:マインドマップを協力しながら完成させること。
 2:グループ発表の準備をすること。
です。
 先週配布したマインドマップ用紙の倍の大きさの用紙(模造紙大)を新しく各班に配布し、色マジックなどを使ってマインドマップを整理・完成させていきます。
 その後、活動の進捗状況を見た上で、グループごとに別室で私に対してプレゼンテーションのプレ発表をおこないます。私からはいくつかのアドバイスを与え、さらに内容を深めていきます。
 各班のプレゼン持ち時間は5分と指示してありますが、全部で8班あるので、発表とアドバイスを含めると1回ずつのプレ発表だけでかなりの時間がかかります。
 しかし班ごとに切り口も違えばプレゼンの方法も異なり、何より生徒が違っているので、この個別指導は欠かせません。
 
 来週は2コマをほぼ使い切る形で全体でのプレゼンテーション大会です。

授業007

 今週末、本校では文化祭をおこないます。
 生徒たちは今日から本格的にその準備を始めました。

 今日のマイコンのテーマは「危機感」。
 抽象的なテーマですが、実際の発表では「宿題の先延ばし」を例に挙げ、
「危機感がないと、いつまでも先延ばしを繰り返すことになる」といった話を
展開していました。
 その主張に対しコメンテーターからは、「宿題の先延ばしが起こるのは
危機感の欠如ではなく、計画性の無さが原因である」といった意見が出され、
聴衆(クラスの生徒たち)からも、そちらの意見が支持される結果となりました。
 教室の雰囲気は、意見の対立というより、笑いに包まれた和やかなものとなり、
こういうマイコンも面白いなあと感じさせられました。

 授業ではOS1の総ざらい(OS1で確認した日本語運用能力のまとめ)を行い、
新しい教材へ進みました。
 取り上げる題材は『水の東西』ですが、生徒たちは教科書を読むわけではありません。
B4用紙が1枚配布され、私から、
「これから私が一つのお話をします。このお話は山崎さんという方が書かれたお話です。
みなさんはその用紙を自由に使って聞き取りメモを取りながら聞いてください。」
との指示を受けます。

 一通り話を聞いた後で、ワークシート(B4)が配布されます。
 そこには4つの課題が記されています。

 1:山崎さんは何をテーマにお話されていましたか。
 2:山崎さんは対比的な表現を上手に使って話をされていました。
  具体的には、どのような対比がありましたか。
 3:山崎さんがみなさんに伝えたかったことはなんでしたか。
 4:1から3の問いおよび聞き取りメモを使って、今回の山崎さんのお話をPREで構造化
   してみましょう。

 ワークシートへの取り組み時間は20分間。その後はグループになってワークシートの
相互発表をおこないます。

 ワークシートの相互確認がある程度深まったところを見計らって、A2版の比較的
大きな用紙を各グループに1枚ずつ配布します。
 この用紙はマインドマップを作成するためのものです。

 マインドマップの作成が調子に乗ってきたところで、残念ながらチャイムです。

 次回の授業は、マインドマップ作成から入ります。


授業006

 先週は外せない出張があったため、現代文の授業は他教科へ振り替えました。今日は2週間ぶりの授業です。

 今日のマイコンテーマは「日本ハムの清宮選手について」

 発表者は清宮選手が開幕1軍スタートに疑問を投げかけます。
 華々しく、鳴り物入りで1軍デビューした清宮選手。その期待に応えるように当初は目覚しい活躍をしたわけですが、まもなく不振に見舞われるようになり、現在は2軍生活。
 この状況を発表者は「高卒ルーキーの育成のあり方に問題がある」と指摘しました。
 
 この発表に対し、3名のコメンテーターは、2名が「賛成」、1名が「反対」の立場からコメントをつけました。
 これからの長い選手生活を考えて・・・というコメント、清宮選手は日本ハム球団の「顔」としての期待があるから・・・というコメント。
 自分たちとも年齢が近い人物であり、しかも連日スポーツニュースでも取り上げられている話題とあって、コメントも一歩踏み込んだものとなり、聴きごたえのある「マイコン」でした。

 私からは、
 ・「清宮選手の、ルーキーとしての育成」と、「高校を卒業して入社してきた新入社員の育成」とを比較したとき、同じ点と異なる点はなんだろうか。
 ・人生における18歳という時期が持つ意味を考えたとき、清宮問題へ違ったアプローチができるだろうか

といった問いかけをしてみました。


 マイコンの後はOSです。今日の授業のめあては引き続き「一文の要点」。
少し授業の間が開くとどうしても「従来型の思考」に生徒は戻ってしまいます。それを引き戻しながらグループで学習を進めます。
 今日の授業で予定していたOS1の学習はほぼ完了しました。

 次回の授業からは教科書掲載文章を使って、具体的な「論理」を確認していく予定です。

思考力・論理力・表現力セミナー(京都)

 昨年度まで実施していた「論理エンジンセミナー」を改訂し、今年度からは「思考力・・・セミナー」としました。
 高大接続改革、学習指導要領の改訂、新入試と、高校の教育現場を取り巻く環境は急速に変化しています。この変化は教師にとって「授業改革」「教科指導法の開発」などの観点からも非常に良い機会です。
 そこでこのチャンスを上手にとらえ、より具体的な指導手法・技術を多くの先生たちとともに考えていくことができる場となるよう、セミナー・コンテンツを一新しました。
 
 その第1回目が京都です。
 真夏のような暑さの中、公立・私立問わず多くの先生方がご参加くださいました。改めて今回のテーマへの関心の高さを実感させられます。

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 今日のセミナーは大きく2つの枠でお話しをしました。

(1)高大接続改革の全体像の確認と、新学習指導要領の分析
(2)私が開智高校でおこなっている実践の紹介

 (1)については数年前から多くのセミナーが催されています。何にフォーカスして取り上げるかによってセミナーの性格も変わってくるわけですが、わたしは国語科、特に現代文指導者としての視座からお話をさせていただきました。

 (2)については、
   ① 3年前から取り組んでいる、「マイコン」と名づけた「思考・表現」学習メソッドについて
   ② 私自身が現代文教師としてライフワーク的に取り組んでいるディベート指導について
   ③ 論理エンジンの実践について
の3点のお話をさせていただきました。

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 限られた時間でしたので、実践の具体への踏み込みはどうしても浅くなってしまいましたが、セミナー後には多くの先生方が質問に集まってくださり、とてもやりがいのあるセミナーとすることができました。

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 来月には大阪でマイコンとディベートに特化したセミナーを開催する予定です。
 先月東京でおこなったセミナーを、さらに内容を充実させて大阪に持って行きます。
 多くの先生方にお会いできることを心から楽しみにしております。
プロフィール

2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。

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