今回のテーマは「妊婦が殺害された場合、加害者は二人に対する殺人罪で裁かれるべきだ」というものでした。
かなり重いテーマでしたが、コメンテーターも聴衆としての他の生徒たちも一生懸命にこのテーマについて思考を深めていました。
コメンテーターは全員が発表者の考えを支持しました。また支持根拠もおおむね同じ視点です。すなわち「胎児であっても命ある存在である。したがって・・・」というわけです。
この段階で「マイコン」を終わらせることもできましたが、今回はあえて「発表者の意見を否定するコメントを考えてみよう」と問いかけてみました。加えて「今回のマイコンテーマを少し一般化し、『胎児に人権はあるか』という視点を加えたら、肯定・否定の論理構成は変わるだろうか」と投げかけてみました。
するとあっという間に議論の輪があちこちに生まれ、活発な話し合いが始まりました。時間にすると3分間程度しか取れませんでしたが、それでも「否定的見解を発表できるかな」と問いかけたところ数人が挙手をし、発表してくれました。詳細は割愛しますが、「胎児に基本的人権を認めた場合・・・」、「胎児にとっての生存権とは・・・」など、さまざまな切り口からの意見が発表されました。
今日の「マイコン」は、「命」と「法」という、とても似ていて、全く異なるものを扱ったため、哲学的思考のようなものを、生徒たちは経験できたのではないかと、私は感じています。
さて、「マイコン」の後はOSです。今日はレベル4を中心に学習を進めました。レベル4からは「一文の要点」がテーマとなります。
前時までに学習した「述語→目的語→主語」のルートをおさらいし、まずは各自で課題に取り組みます。その後グループで話し合い、その結果を黒板に書き出し、論証を加えていきます。
まだレベル4段階ではグループ間での相違はあまり見られませんが、「同じである理由」を考えることも学習になります。
今日の授業は、ここでチャイムとなりました。