2学期の授業はディベート学習が中心となっています。
その授業の見学に大阪、京都そしてニューヨークから先生方が2週にわたってお見えになりました。
見学していただいたのは10時間扱いの7・8時間目と、9・10時間目です。
今回の記事では、それまでの準備部分も含めて書いてみたいと思います。
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このクラスがディベートを本格的に学習するのは今回からとなりますが、入学後行われた合宿で基礎的な事柄については学習しているので、用語やフォーマットなどについての説明は必要ありません。実質的な内容から入ります。
一般的に、高校1年生のディベート学習では、一つの論題について全体で学習するのですが、このクラスは1学期から『論理エンジン』『思考ルート』でさまざまな論理的学習を積み重ねていますので、今回は3つの論題を同時進行で取り扱うことにしました。
論題は一人一つずつ考えてくるように指示を出しておき、それを授業で発表させていきます。発表にあたっては、生徒は「論題提案書」を作成し、それに基づいて全員がプレゼンテーションを行います。
提案書の作成には20分間を与え、PREP法で構成するように指示をしました。
論題準備の指示を出した際には、同じような論題を持ってくる生徒が何人も出てくるのではないかと想定していましたが、実際には重複した論題は3つほどしかなく、そのほとんどが独特の論題となりました。価値論題から政策論題まで非常に多彩な視点からの設定がみられ、驚きの一言です。
出された論題と提案理由はすべて黒板に書き並べ、ディベートしてみたい論題について一人が3つずつ投票し、3つの論題を決定します。
この段階の各論題は、まだ定義づけがなされていませんので、すべての論題について、全員で話し合い、定義づけを行っていきます。
次に、クラスを6班にわけ、2班ずつ3セットを作り、ディベートを行う論題を抽選で決定します。この時同時に立場も抽選で決定します。
これ以降は班別の活動が基本となります。論題の詳細な分析、情報の収集とカード化、立論の策案と想定問答集作りと、取り組むことが山積みです。
私は、それらの準備が手際よく進められるようにサポートしていくだけです。
各班の準備が概ね整った段階で、すべての班が全体に対し立論を披露します。
これは通常のディベート指導ではあまり行われないことですが、私の授業では必ず行うステップです。
この「立論披露」は、裁判でいうところの公判前手続に似ています。肯定否定の双方でそれぞれの主張を予め共有することで、論点が整理され、的を射たディベートを展開できるようになります。
立論披露ではすべての班が立論を述べますが、手の内をすべて明かすわけではありません。立論披露後に再度作戦を練り上げ、ディベートマッチの段階へと進んでいきます。
1年生の指導では、ディベートマッチを前半(論戦まで)と後半とに分けて指導します。
途中で止めながら、私がコメントをはさんでいきます。
また、ディベートだけでなく、ジャッジの役割についてもきちんと指導する点も重要です。他人を評価することの重さと責任とを自覚させ、公正で論理的な判断ができるように手を入れていきます。
このような流れで、3つの論題について学習を進めていきます。
他のチームのディベート・マッチをジャッジとして評価し、教師からのコメントを聞き、それを次の自分たちのディベートマッチに活かしていく。
論題がそれぞれ違うからこそ、細かな点でそれぞれの工夫が求められ、それがディベートの質の向上につながっていきます。
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例年のことですが2学期前半は、こうしてディベート学習で過ぎていきます。
参観に来られた先生方からは、生徒たちの学習活動についてのお褒めの言葉をいただきました。
生徒にとっても、私にとっても、ごく日常の授業でしたが、それを褒めていただけたことが却ってとてもあらがたく感じられました。
今後もすでに数校から授業見学のお申し込みをいただいております。すべてにお応えすることは難しいかもしれませんが、可能な限り、生徒たちの学習活動を見ていただきたいと考えております。
2015年09月
9月25
2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。
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