2015年01月

新入生

 今月25日の合格発表から約一週間。
 今日31日は開智高校を第一志望とする受験生たちの入学手続き日です。
 北風が冷たくはありましたが、昨日とはうってかわっての晴天。しかも大安です。

 午前9時組と10時30分組との2グループに分けて手続きを進めます。

 手続きの前半では、今日から入学式までの予定と過ごし方について、私から話をします。
 後半は制服の採寸や体操着のサイズ合わせなどを行います。
 制服の採寸は、開智生になる実感を最初に感じる場面です。緊張と嬉しさとが入り混じったような、なんとなく照れたような表情をする生徒(正しくは、まだ開智の生徒ではありませんが…)が多いように感じます。

 第一志望で入学してくる生徒は、学習だけでなく行事や委員会活動などにおいても、生き生きとした活動をする傾向が強く、学園の活力になっています。
 一方で、入学の2か月以上前に入学準備が完了してしまうため、中学生として2月・3月をどのように過ごしていくか、自分自身の中学校生活をどのようにまとめあげるかという点が、彼らにとっては大きな課題ともなります。

 開智高校側からは2月・3月の土曜日を中心として、第一志望者だけを対象とした学習会を開いたり、まもなく仲間となる者同士の学びあいを行ったりしますが、基本となるのはやはり一人一人の自覚です。

 開智生となることを第一の「志」としたみなさん、今日お話ししたように、もう一度その「志」としっかり向き合ってください。そうすることでおのずから、今自分がなすべきことが見えてくるはずです。
 さらにひと回り大きく成長した姿で入学してくれることを心から期待しています。

今シーズン初の積雪

 気象予報通り、今日は朝から雪となりました。
 正午前後には道路も白くなるほどで、去年のようなひどい積雪にならなければいいなあと思っていましたが、これもまた予報通り、午後からは雨になり、雪はすっかり消えてくれました。

 足元の不安もなくなった夕方からは、講演会に出かけてきました。
 場所は新宿。今日は聴かせていただく側です。

 講演会のテーマは「資本主義の終焉と歴史の危機」
 講演なさるのは経済学博士の水野和夫先生です。
 今回のテーマと同じタイトルの先生の著書は、「週刊ダイヤモンド」2014年のベスト経済書
第1位になられていて、23万部を突破していらっしゃいます。

 私にとって経済学は全くの専門外ですが、そんな素人にもわかりやすくお話ししてくださったので、どんどん話に引き込まれ、大変に勉強になりました。


 仕事柄、国語・日本語関係あるいは教育関係の勉強会や講演会に参加させていただくことは多く、それはそれでもちろん勉強になるのですが、一方では視座が固定化しがちであるというデメリットもあります。
 同じイシューをとらえるにしても、さまざまなアプローチがあって当然なのですが、学校を卒業してしまうとどうしてもそのアプローチに偏りが出てしまいます。

 この視座の偏りを防ぐためにも、私はできるだけ広い分野について、それぞれのスペシャリストの方のお話を伺うようにしています。「お話を伺う」とは比喩的であり、それはもちろん今回のように講演であることもあれば、著書・論文を通してということもあります。

 いかなる分野であっても、いかなる論点であっても、いかなる主張であっても、その道のスペシャリストの研究と論理には、必ず「学ぶべき要素」があります。

 今日受けた刺激をどれだけ明日からの自分に活かせるか。これはひとえに私自身の能力と努力にかかっています。

OS3

 今週の授業から、1年生はOS3に入りました。

 3学期の導入教材『広告の形而上学』は、3つの論理を確認しながら、さらに段落や全文の要点をまとめる学習をするのに適した教材です。
 ここでの学習を通して、論理的な思考ルートとして自分自身が「できるようになっていること」と「不十分なこと」とが確認できていますので、それらをもう一度OS3で確認していくことが、これからの学習のめあてになります。

 開智高校ではOS3が『論理エンジン』の最後の教材ですので、最終点検ということになります。

 私が『論理エンジン』『思考ルート』の学習で毎時間のように生徒たちに言っていることがあります。それは「意図的な読解をする」ということです。
 生徒たちは高校で様々な教科について学習しますが、それらの科目のほとんどについて生徒たちは何らかの意図をもって学習します。本来であれば「すべて」の科目についてそうあるべきなのですが、「すべて」ではなく「ほとんど」になってしまうのは、そこに[現代文]が含まれないからです。

 意図のないところに効果は望めませんし、つまづきポイントを端的に自覚することができません。そもそもつまづいていること自体を自覚することができないともいえると私は考えます。

 この「意図」のエッセンスが詰まっているのが『論理エンジン』であり、『思考ルート』です。
 すべての生徒が、この最後の学習チャンスをしっかりととらえることができるか否かは、教師の指導力にかかっています。

 毎年のことですが、この時期が最も緊張感を持って指導する時期となります。

入試の終わり、入試の始まり

 今日24日をもって、開智高校2015年度生の入学試験が無事終了しました。
 交通トラブルや試験進行上のトラブルもなく、無事に3日間の日程を終えることができました。
 受験生のみなさん、お疲れ様でした。

 開智高校の入試ではよりハイレベルな類型への合格や、よりランクの高い特待生での合格を目指して、多くの受験生が3日間とも受験をします。
(複数回受験した場合、最も実力が発揮できた回の成績を判定材料とするためです。)

 学校の定期考査でさえも3日間の連続試験は相当疲れるものです。
 今回はそれが入学試験でしたから、疲れ切ってしまったことでしょうね。
 まずは、少し頭を休めてください。そして、この後にも続く他の入試でも、ぜひ実力を発揮してきてください。

 合格発表は、明日25日、午後3時に校内掲示とHPとで行う予定です。

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 高校入試が終わると、いよいよ開智生の大学入試が本格化します。
 今日も夜まで3年の担任は生徒や保護者の方と、センター試験の結果を受けての個別面談を行っていました。
 私立大学への出願は、センター利用入試を含めて、ほぼセンター試験前に終わっていますので、ここでの面談のテーマは国公立大学(前期・後期)の出願となります。あと10日ほどで出願が締め切られますので、あわただしい面談となります。

 学校の授業は、26日から「直前講習B期・C期」がスタートします。ここではターゲット大学を絞った講座が展開されます。
 この時期は、多くの教員が1・2年生の通常授業を担当しながら3年生の講座も担当するため、教材の準備が大変なのですが、生徒に「最後の最後まできっちりとどめを刺す学習」をしてもらえるよう、全力で指導していきます。

 3年生のみなさん、受験は試験会場に行って初めて成立します。ですからまずは体調管理。そして次に志です。
 残り2カ月を一気に走り抜けていこう!

入試前日

 明日から3日間連続日程で開智高校の入試が行われます。

 今日は昼過ぎから雪まじりの冷たい雨となり、明日も天候が心配ですが、
現時点での気象情報によると、受験生の集合時間帯は降られなくて済むかもしれません。

 入試では、受験生が安心して実力を発揮できるように、われわれ教員だけでなく、多くの在校生が運営に協力してくれます。
 特に野球部の生徒たちは朝早くから校門付近と登校路の整備を行ってくれています。気温が0℃前後の中で何時間も外に立って、いろいろな役割をこなしてくれています。これらの部員たちのためにも、雨や雪にならないことを祈るばかりです。
 また、昇降口および校舎内には生徒会の生徒を中心として、多くの生徒が受験生の誘導を行ってくれます。屋内とはいえ、やはり寒い中での係分担です。本当にありがたいことです。

 入試は高校にとっては卒業式、入学式に並ぶ大きな行事です。

 受験生のみなさん、全力で開智の入試に挑んでください。
 今年も在校生、教職員が力を合わせて、ベストな環境での受験ができるよう、全力でサポートしていきます。


センター試験

 今年のセンター試験が昨日無事に終わりました。

 いろいろな変更点があった今年の試験でしたので、学力を発揮する以前の部分でエラーを起こす生徒がいないかどうか、それが一番の懸念材料だったのですが、心配は全く無用でした。

 今年は試験会場が分散していましたが、すべての会場で滞りなく試験が実施できました。

 センター試験は生徒たちが最初に体験する「本番の入試」ですから、生徒たちはかなり緊張します。「平常心で」と教師は言いますが、やっぱり緊張するものです。
 普段は生徒の傍にいて励ましたり、叱ったり、褒めたりと、いろいろなアプローチができる教師ですが、入試本番だけは手も足も出ません。できることといえば、見守ることだけです。
 でも、まだ開門前の試験会場で私たちの顔を見つけると、みんないつもの笑顔で挨拶をしてくれます。これだけで「今年も来てよかったな」と思うのです。


 今日は朝から自己採点でした。うまくいった子、そうでなかった子、いろいろいます。担任はこれから一人一人と面談を開始します。ここが3年生担任の最大の腕の見せ所です。

 3年生のみんな、まだまだ入試は始まったばかり。浮かれていたり、落ち込んでいたりする暇はありませんね。しっかりと目標を定めて、その時その時にできることに、淡々と取り組んでいきましょう。

授業開始

 3学期に入って約一週間。曜日の関係で、私が担当している1年生の授業は、
今日が初日です。

 今学期は教科書教材から入りました。単元は『広告の形而上学』。
初出は毎日新聞の夕刊記事であったこの文章は、分量も10分間あれば十分に
マーク仕立てで読み通すことができ、休業期明けの教材としては適切です。

 1年生の3学期は『論理エンジン』『思考ルート』を通して学習してきたさまざまな
お作法を総点検するとともに、効果的に活用できるかどうかを確かめる時期です。
その観点からも適切な文章といえます。

 今日の授業では、
 「マーク通読」 → 「メモリの確認」 → 「PREPの整理」
という、論説文読解の最も基本となるお作法の確認を学習のめあてとしました。

 授業を進めていくと、まだまだ習熟が十分でない生徒も散見されます。
扱っている教材は決して難解な内容ではありませんが、それでも『論理エンジン』
で取り上げている文章に比べれば、易しいものではありません。

 『論理エンジン』で学習しているときにはできていること、たとえば「イコールの関係を
発見し、具体例を軸として、一般化された主張にアプローチする」ことなどが、教科書の
文章の読解となると、途端にできなくなってしまう…

 このことは『論理エンジン』を学習する生徒にとっても、指導する教師にとっても大きな
悩みとなっています。
 幸い本校では『思考ルート』も併せて使っていますので、その部分で悩むことはとても
少なく、段階を追って再確認していくことができます。

 次回の授業では「論理的に要旨を煮詰めていくプロセスの確認」がめあてになります。

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 高校入試が間もなく始まるこの時期は、学校の中が何となくあわただしい雰囲気に
なります。
 新入生を迎える準備も大切ですが、在校生たちが落ち着いて学習できる環境をきちんと
作っていくこともとても大切です。
 いろいろな面で気の抜けない日々が続きます。

新年、そしてセンター試験

あけましておめでとうございます。

埼玉では元日から良い天気が続き、冬期講習が再開した今日5日は風もなく、
日差しが温かく感じられる一日でした。

今回の冬期講習では3年生TSクラスとTHクラス、平たく言えば
東大理系クラスと東大文系クラスの現代文講座を担当しています。

年末年始の1週間、生徒たちの顔を見ていなかったので、私も不安だったのですが、
生徒たちは肩肘張らない緊張感が維持できているようで、ひと安心です。

とはいうもののセンター試験まで約2週間。当然焦りは出てきます。
しかし、こんな時だからこそ、いつもの開智スタイルで淡々と生活することが肝心。
毎日480分ずつ用意されている講座を、生徒たちは自分にあったスタイルで
受講しています。
国語は1講座240分。これを現代文と古典とでシェアしながら、講座を進めています。

今年のセンター試験は、要領に大きな変更があるので、そこにも気を使います。
さらに、今までは高校単位でまとまっていた試験会場が受験型によって区分されたことで、
いつもの仲間と受験に行くことができず、これも大きな不安材料です。開智は5つの会場
に分散することになりました。

しかしこれらの条件はどの受験生も一緒。
とにかく生徒たちには、学力以外の部分でのケアレスミスを犯さないことだけを
指示しています。(試験会場を間違うとか、選択科目を間違うとか…)

センター試験前の私の授業もあとわずか。
伝えられるすべてを伝えられるように、私も精いっぱい頑張ります。

プロフィール

2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。

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