今回が第2回セミナー報告の最終回です。
第3部は「論理からアプローチする小説指導」です。
教材は、
① OS2
② 思考ルート
③ 教科書(東京書籍 精選現代文)
です。
過去のセミナーで小説教材を取り上げるときには、高校1年生の教材で、かつ多くの教科書で取り上げられている作品であることから『羅生門』を使っていたのですが、高校2年生での定番教材である『山月記』を取り上げることにしました。
『山月記』は『羅生門』と比べて、論理的読解をするうえで核となる「場合分け」の難易度が高くなっているため、お作法を習熟するうえで適した教材です。
前半では主に『思考ルート』を使ってお作法を確認します。小説で用いるお作法は原則一つですので、それを再確認するだけです。
続けて教科書に入ります。先生方には生徒になっていただき、私が模擬授業形式で進めます。今回取り上げたのは、李徴の告白の二つ目、自らの詩業に強い執着を見せる場面です。
ここでの「場合分け」と、その根拠の説明を学びあい形式で話し合っていきました。
学びあいの中で出されている面白い観点などは、随時ボードに起こしていきます。
特に今回のポイントは「場合分け」ですので、その観点を中心に整理していきます。
小説教材を論理的に読解する際の、あるいはその指導をする際の最重要ポイントは
「読解と鑑賞との違いを明確に認識し分けていること」
です。
これは生徒であっても教師であっても同じです。この両者を混同しているうちは論理的読解はできません。特に「得点力」が求められる入試小説においてはハイレベルで得点力を安定させることは困難です。
授業レベルでは、いわゆる「読解力」があると思われる生徒でも、「得点力」が上がらなければ試験(入試)においてその読解力は正当な評価を受けることができません。
試験において正当な評価を受けることができない経験を重ねてしまうと、そもそもの読解力についても生徒は自信を失っていきます。その結果、本当に読解力を落としていきます。
この現象は、論説文のような説明的な文章よりも小説文について顕著に表れてきます。それは、読解と鑑賞との混同が得点力の低下に直結しているからです。
私の授業では「鑑賞とは物語ること」と定義しています。定義の仕方はそれぞれの指導者が目の前の生徒に合わせて行うべきものですので、正解はありません。大切なのは「違いが明確に意識できるような定義」をしてあげることだと私は考えています。
******************************************************************************
以上で第2回セミナーも終了です。
セミナー直後の、私の率直な感想は、「やはり一日セミナーは長すぎるな」というものでした。しかし、先生方から寄せられたアンケートを拝見すると、「長かった」というご意見は一つもなく、逆に「一日で多くの点について勉強できたのでよかった」という感想をたくさん頂戴しました。
おかげさまで私の疲れも一気に吹き飛びました。
ご参加いただきました先生方、ありがとうございました。特に遠方から参加してくださった先生方は、前日と当日に宿泊をされ、2泊3日でのご参加だったと思います。
重ねて御礼申し上げます。
第3回セミナーは11月に東京で行う予定です。内容としては入試に向けての実践的な指導法を取り上げようと考えています。(変更するかもしれませんが)
詳しい案内は水王舎から出されると思いますので、少しお待ちください。
なお、約半数の席は第2回セミナー直後の予約で埋まっていると伺っています。気になる先生方は直接水王舎にお問い合わせください。
開智高校の授業は、まもなくディベートに入ります。その様子はこのブログでお知らせしようと思っています。
第3部は「論理からアプローチする小説指導」です。
教材は、
① OS2
② 思考ルート
③ 教科書(東京書籍 精選現代文)
です。
過去のセミナーで小説教材を取り上げるときには、高校1年生の教材で、かつ多くの教科書で取り上げられている作品であることから『羅生門』を使っていたのですが、高校2年生での定番教材である『山月記』を取り上げることにしました。
『山月記』は『羅生門』と比べて、論理的読解をするうえで核となる「場合分け」の難易度が高くなっているため、お作法を習熟するうえで適した教材です。
前半では主に『思考ルート』を使ってお作法を確認します。小説で用いるお作法は原則一つですので、それを再確認するだけです。
続けて教科書に入ります。先生方には生徒になっていただき、私が模擬授業形式で進めます。今回取り上げたのは、李徴の告白の二つ目、自らの詩業に強い執着を見せる場面です。
ここでの「場合分け」と、その根拠の説明を学びあい形式で話し合っていきました。
学びあいの中で出されている面白い観点などは、随時ボードに起こしていきます。
特に今回のポイントは「場合分け」ですので、その観点を中心に整理していきます。
小説教材を論理的に読解する際の、あるいはその指導をする際の最重要ポイントは
「読解と鑑賞との違いを明確に認識し分けていること」
です。
これは生徒であっても教師であっても同じです。この両者を混同しているうちは論理的読解はできません。特に「得点力」が求められる入試小説においてはハイレベルで得点力を安定させることは困難です。
授業レベルでは、いわゆる「読解力」があると思われる生徒でも、「得点力」が上がらなければ試験(入試)においてその読解力は正当な評価を受けることができません。
試験において正当な評価を受けることができない経験を重ねてしまうと、そもそもの読解力についても生徒は自信を失っていきます。その結果、本当に読解力を落としていきます。
この現象は、論説文のような説明的な文章よりも小説文について顕著に表れてきます。それは、読解と鑑賞との混同が得点力の低下に直結しているからです。
私の授業では「鑑賞とは物語ること」と定義しています。定義の仕方はそれぞれの指導者が目の前の生徒に合わせて行うべきものですので、正解はありません。大切なのは「違いが明確に意識できるような定義」をしてあげることだと私は考えています。
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以上で第2回セミナーも終了です。
セミナー直後の、私の率直な感想は、「やはり一日セミナーは長すぎるな」というものでした。しかし、先生方から寄せられたアンケートを拝見すると、「長かった」というご意見は一つもなく、逆に「一日で多くの点について勉強できたのでよかった」という感想をたくさん頂戴しました。
おかげさまで私の疲れも一気に吹き飛びました。
ご参加いただきました先生方、ありがとうございました。特に遠方から参加してくださった先生方は、前日と当日に宿泊をされ、2泊3日でのご参加だったと思います。
重ねて御礼申し上げます。
第3回セミナーは11月に東京で行う予定です。内容としては入試に向けての実践的な指導法を取り上げようと考えています。(変更するかもしれませんが)
詳しい案内は水王舎から出されると思いますので、少しお待ちください。
なお、約半数の席は第2回セミナー直後の予約で埋まっていると伺っています。気になる先生方は直接水王舎にお問い合わせください。
開智高校の授業は、まもなくディベートに入ります。その様子はこのブログでお知らせしようと思っています。