2014年08月

授業力向上セミナー2014(第2回) その1


 前日の名古屋研修に続き、2日連続の研修となりました。

 今日は「授業力向上セミナー」です。昨年度の計4回と今年度の第1回セミナーは東京会場での実施であったため、今回は大阪で実施することにしました。
 会場は変わっても、北海道から九州まで全国各地から先生方がお集まりくださいました。

 今回の研修は終日6時間のプログラムなので、内容がモノトーンにならないようにプログラムを大きく3つに分けて実施します。
 
 第1部は論理エンジンの導入期、主に高校1年生第1学期中間考査までの指導事例研究です。
 この内容は第1回セミナーで中心的に取り上げたテーマですが、今回も時間的には縮小しますが、取り上げることにしました。その理由は、「論理エンジン指導では、この部分が最も重要である」からです。
 セミナーに参加できるのは論理エンジンの採用校の先生だけなのですが、各学校では一人の先生が指導にあたっているわけではありません。多くの学校では複数の先生方が論理エンジンを指導していらっしゃいます。しかし1回のセミナーに参加できる人数には限りがあるため、担当者全員が毎回のセミナーに参加はできず、順番に参加される学校が多くなってしまいます。もちろん毎回参加される先生方もいらっしゃるのですが、概ね参加者の2分の1弱の先生方が、このセミナーに初めて参加されるという傾向が続いています。そのため「論理エンジン指導の命」ともいうべき「導入期指導」については、何らかの形で、毎回触れることにしています。

 今回のセミナーでも、
 ① 論理とは何か。
 ② なぜ高校生になった今、論理エンジンを学ぶのか。
といった、「学習の目的をどのように生徒に伝えていくべきか」というテーマから研修をスタートしました。

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 続いて、OS2を使って実際の指導方法を研究していきます。

 各先生方には、自分自身の指導経験を振り返っていただきながら、特に指導に困った点などを近くの先生方と共有していただきます。
 そして、生徒たちが実際の授業で出してきた解答例などを前のボードに示していただき、そのときの生徒たちの思考ルートや実際の指導経緯などを発表していただきました。

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 発表をもとに、指導のコツなどを整理していきます。

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 第1部のまとめとして、以上の内容を踏まえながら、各先生方が自分自身の指導ポイントをまとめ、グループで相互発表していきます。
 それぞれの先生方が受け持っている生徒は、学校ごとに様子が大きく異なります。そういう先生方同士が学びあいを行い、いろいろな学校の指導方法を共有することで、指導の観点が増え、授業に厚みが出ていきます。

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私立学校の教師は基本的に転勤することがなく、他の学校の先生方とともに研修する機会がきわめて少ないのが現状です。特に「授業」については(広報活動としての着飾った授業は別として)、情報を共有したり、高めあったりすることは皆無といってもよいかもしれません。

 このセミナーでは、私学独特のいろいろなしがらみは全く度外視して、とにかく「目の前の生徒の思考力や読解力、表現力を高めていくために、具体的にどういう指導が効果的なのか」という点について勉強しています。
 「明日の授業に役立つ」研修となるように、みんなで研修を創りあげています。

 … 第2部については、次回の報告といたします。

教員研修 in 名古屋 2014

開智高校では夏期講習最終タームの第6期講習が始まりました。
私は第5期で慶應対策講座を行い、この6期の期間は29日に実施する
学内教員研修をはじめとした、「教員研修」を担当することが多くなります。

そのスタートとなるのが、本日行わせていただいた、名古屋にある中高一貫校での
教員研修です。
こちらの学校にはおととしにも研修講師としてお招きいただいていることもあり、
顔なじみの先生が多くいらっしゃいます。

今回の研修テーマは「記述力を伸ばすための指導法研究」。
とりわけ大学受験に向けてラストスパートをかける高校3年生に対して、
2学期により効果的な指導を展開していくための方法を先生方と一緒に考えていきました。

午前中の研修では、先生方には生徒になっていただき、私の模擬授業を
受けていただきました。
中心となる内容は「論説文の読解ルート」と、「記述問題を解くためのお作法」の確認です。
生徒目線で授業を受けていただくことにより、また違った風景が見えてきます。
そのことを先生方に実感していただきました。

午後の研修はいつもの開智スタイル「学びあい」です。
先生方には事前に3題の入試問題をお渡ししてあり、それらについて、ここでも生徒となって
相互に自分の作った答案と、それに至る思考ルートを相互に発表しあっていただきました。

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ここでは、私がお示しした「思考ルート」を忠実に守っていただきました。
いつもの自分流」の解法ルートからいったん離れていただくことで、
指導の幅尾を広げていただくことも意図した「学びあい」です。

次にサンプルとして用意した、実際の生徒の答案について採点をしていただきます。
記述問題に対する対応力を育成していく過程においては、教師の「採点力」が最も重要になります。
私はこの力のことを「診断力」と呼んでいます。
的確な「診断」なしに「効果的な治療」ができないことはいうまでもありません。
では、的確な診断を下すために何が必要なのか。… この点について午後の研修では考えて
いただきました。

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参加された先生方、お疲れ様でした。
前回お招きいただいたとき同様、法人主催の教員研修ということでしたので、
いろいろな先生が参観なさる中での研修でしたから、いっそう緊張された先生も
いらっしゃったのではないかと思いますが、最後まで熱心に取り組んでいただき、
ありがとうございました。
これからも機会をとらえて、お互いに高めあっていければと思っております。
今後とも、よろしくお願いいたします。

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この研修が終わって、現在私は大阪にいます。
明日はここ大阪で「授業力向上セミナー2014」の今年度第2回を行います。
今回のセミナーは9時から17時までの終日研修です。
またこのブログで報告させていただきます。

プロフィール

2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。

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