5月も中旬を過ぎ、多くの学校では中間考査の時期を迎えていることと思います。
本校でも20日~22日の3日間、中間考査が行われています。

 1学期の中間考査までの期間というのは、新入生あるいは新学年のガイダンス行事やゴールデン・ウィークがあるため、十分な授業時間が確保できない、やっかいな時期です。
 私が担当している1年生のクラス(国語総合の現代文分野:2単位)もこの期間には3回しか授業がありませんでした。私の授業は2コマ連続の授業で組んでいるので、実授業数は6コマです。

******************************************************************************
 
 さて、このブログは『論理エンジン』を指導なさっている多くの先生方がご覧になっていると思いますので、今日は1学期中間考査までの学習あるいは指導のポイントを整理してみます。
 生徒のみなさんにも参考になると思いますので、ぜひ読んでみてください。

 1年生のこの時期は『論理エンジン』『思考ルート』を指導していく上で最も重要な時期です。
なぜなら、この時期は、国語(日本語)を学習していく上で、生徒たちが身につけてしまっている「間違った教科観」を払拭し、正しい教科観と具体的な学習姿勢を基礎から構築しなおさなければならない時期だからです。

 ここでの指導は、例えるならば、右手でお箸を使うことに慣れきっている子どもに、左手でお箸を使うように躾なおすようなものです。
 「自然と」右手でお箸を使ってきた子どもに、左手でお箸を使わせるためには、最初に「なぜ左手で使うようにしなければならないのか」、その目的をしっかりと説明し、納得させなくてはなりません。「とにかく左手で使いなさい」では、誰一人左手で使おうとはしないでしょう。
 次に、左手で使う際の「お作法」を丁寧に伝授していく必要があります。教師が模範を示すことも重要ですが、「見よう見まね」で身につけさせようとしてはいけません。なぜなら、そのような手法をとると必ず「自己流」に流れる生徒が出てくるからです。せっかく基礎から身につけ直させるわけですから、その「お作法」は段階を経て具体的に、そして論理的に示していき、教師はその習熟過程をしっかり確認していくことが重要です。

 1学期中間考査までの期間は、特に以上の点を強く意識して指導していきます。
 年間指導計画との関係で十分な時間が取れないこともあると思いますが、拙速に進めないことが肝要です。
 文章(あるいは文)を論理的に分析していく「観点」を、「自分で」挙げることができるまでに
内在化させること―それが導入期指導で最も重要なことだと私は考えています。

******************************************************************************

 ブログの記事なので、例え話で終わってしまいましたが、私の思いが伝われば幸いです。
 具体的な実践内容については、今年度も「授業力向上セミナー」で先生方と共有させていただきたいと思っております。
 今年度第1回「授業力向上セミナー」は6月7日に東京で行います。ご参加いただく先生方、よろしくお願いいたします
。(20名限定のセミナーですので、残席の有無については水王舎にお問い合わせください。)
 

 また、今年度も出口先生とのコラボ講演会・研修会を行います。
 6月は14日に札幌、21日に東京で行います。
 お時間が許せば、お越しください。