2013年10月

東京研修会

12日(土)、「論理エンジン研修会」を行いました。

関東を中心として60名を超える先生方がお集まりくださいました。
『論理エンジン』の研修会には私学の高等学校の先生方が多く参加なさいますが、
最近では中学校の先生や公立高校の先生方も参加なさることが多くなり、
今回も都立・県立の高等学校の先生方にたくさんご参加いただきました。

以前から、『論理エンジン』を使った教育システムに興味をお持ちの先生方は多かったのですが、
それらの先生方が、個人レベルで教材研究なさるだけでなく、共有フィールドとしての研修へ
足をお運びいただけるようになったのだと思います。
また、出口先生が『論理エンジン』で、あるいは私が『思考ルート』で提唱・提案している
教育理念や方法論が、バカロレアにマッチしていることも無関係でないかもしれません。

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今回の研修は『論理エンジン』の指導経験がない先生方も対象としているので、
開発者の出口先生とのコラボです。

第1部は出口先生のご講演です。
『論理エンジン』の教材観や、これからの国語教育についてお話し下さいました。

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第2部は私が担当します。
前半では、『論理エンジン』についての、私なりの教材観や本校での導入経緯などを
お話ししました。

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後半では、実際に先生方に『論理エンジン』を体験していただきます。
先生方には「生徒」になっていただき、模擬授業形式で進めました。

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模擬授業といっても私の授業スタイルですので、「学びあい」が必ず入ります。
参加された先生方同士は初対面ですが、近くの方と意見交換をしていただきます。

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今回の教材は「レベル4 ステップ3」を取り上げました。
各自で解いた後、相互に解答の根拠を発表しあいます。
その結果としての解答案を2つ取り上げ(通常の授業だともっと多いのですが)
その解答案について、さらに話し合っていただきます。


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模擬授業のまとめとして、先生方には「生徒」から「教師」に戻っていただき、
今回の課題の指導ポイントやコツなどを紹介させていただきました。

最後は質疑応答です。

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年間指導計画の中への組み込み方や、教科書ベースの指導の実際などについて
質問をいただきました。
教科書をベースとした『論理エンジン』の指導については、時間の関係で簡単なものになってしまいましたが、『山月記』の指導方法を紹介させていただきました。

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参加をしていただいた先生方、ありがとうございました。
このような研修会を通して、『論理エンジン』の指導スキルを持った教師が増えてくれば、
中学・高校の教育は、国語に限らず、もっともっと多彩で奥深いものになります。
そして、その教育は、情緒豊かで思慮深い人間を育てていくものだと私は考えています。

これからもともに勉強させていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

ディベート

久しぶりの更新です。
2学期に入って、体育祭が終わってから、1年生、2年生ともに
ディベートの学習をしていますが、9月y・10月は祝日の関係で
各クラスの授業時間にばらつきが大きく、進度ががまちまちに
なっています。

そのような状況の中で、2年生がいち早くディベート・マッチに到達しました。
2年生の諸君が設定したテーマは「死刑制度の是非」です。
テーマ分析後の論題は、
「法治国家であり、民主主義国家である現代の日本には、死刑制度は不要である。」
となりました。

今回は、書籍資料だけでなく、Web資料の利用も認めました。
Web上に氾濫する情報には価値のあるものと価値のないものとがあることは、生徒たちもわかっていますが、実際に友人がどのような観点でそれらを区別しているかといったところまでは、お互いにわかっていません。
そこで今回の学習を通して、Web情報の取捨選択の観点についても、相互学習の過程で共有してもらおうと考えたわけです。

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マルチメディア室で、グループごとに情報を集めます。
教室に戻ってからは、書籍資料と照らし合わせながら、情報カードへとまとめていきます。

この後、約1週間の準備期間を経て、ディベート。マッチを行いました。
2年生はディベートにもだいぶ慣れてきており、掲示資料なども準備して立論を展開していきます。

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作戦タイムの使い方にも無駄がなく、質疑応答に備えたカードの準備などがされています。

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ジャッジの生徒たちは、20ある観点について、5段階で評価していきます。
観点が多い分、各ディベーターの論理をしっかりと追いかけていかないと判定できません。

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今回のクラスは32名のクラスですので、4人1チームで、8チーム編成。
トータルで4試合行いました。

どのチームも、1年生の時と比較して、ゲームとしてのディベート・マッチのこなし方は
うまくなっています。
しかし、それ以上に進化したのが「テーマの深め方」でした。たとえば、
・正解のない問いに対して、様々な観点からアプローチしていく。
・与えられた様々な情報をクリティカルな視点をもって検証していく。
このような姿勢が、今回のディベート学習の中で顕著に見られたことが、私にとって
何より嬉しいことでした。

2年生は3日後の10月17日から「Contemporary issues アメリカ研修」に出かけます。
私も同行します。
一週間の研修の中でいろいろな物事を見聞きし、体験してくるわけですが、
そこでも今回のディベート学習を通して身につけた、「どうして?」「本当に?」という視点を
発揮してくれることと思います。
そして、そのうえでたくさんの感動を持ち帰ってくれることと思います。

CIの模様はまたこのブログでも報告させていただきます。
プロフィール

2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。

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