2013年09月

論理エンジン授業力向上セミナー(第2回)

今年度第2回目の「論理エンジン授業力向上セミナー」を行いました。
今回も会場は東京ですが、新潟県から宮崎県まで、幅広いエリアから
お集まりいただきました。
20名限定のセミナーであるため、募集開始後わずかで定員が埋まってしまい、
ご希望に沿えなかった先生方には、ご迷惑をおかけいたしました。
この場を借りて、まずはお詫び申し上げます。

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今回の研究テーマは「文学的文章指導に生かす『論理エンジン』」です。
説明的な文章指導と『論理エンジン』指導との結びつきは、比較的イメージしやすく、
また実践にも移しやすいのですが、文学的な文章指導の過程に『論理エンジン』を
どのように落とし込んでいくかという点については、多くの先生方が悩まれています。
それらの悩みを参加者で共有し、より良い実践に結び付けていくために、
前回に引き続き、今回も以下のようなプログラムで研修を行いました。

 ① 文学的文章指導の導入部分と教材指導の1時間目について、私が模擬授業の形態で
   指導プランを提案させていただく。

 ② 参加した先生方は、4名1グループとなり、各自の指導経験を持ち寄りながら、
   グループで1つの学習指導案を作成する。

 ③ 各グループの代表者が模擬授業を行う。


私が担当した模擬授業の前半では、「小説の学習を通して、生徒に身につけさせたい力」
という観点から、読解力と鑑賞力との違いを、指導者が明確に意図することの大切さを
提案しました。
教材は『思考ルート』です。

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後半では、小説を読むことと、小説を題材とした試験問題を解くこととの違いを確認し、
『論理エンジン』レベル18の指導例を提案しました。

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模擬授業の最後として、『羅生門』の第1時間目の指導例を提案し、第1部は終了です。


第2部からは、参加された先生方が活動の主体となります。
今回、指導案の作成に取り組む教材は『山月記』です。

高校2年生の現代文で扱う定番教材ですので、多くの先生が指導経験をお持ちの教材です。
一方で、この「指導経験があること」が、「新しい指導スタイルの創造」を妨げています。

今回も1グループ(4名)の中には同じ学校の教師が存在しないようにグループを編成していますので、まずは一人ひとりが各自の指導経験や、自分が描いている(あるいは実践している)指導プランを発表していきます。
次に、相互の発表内容を踏まえて、
「新しい指導スタイル」=「『論理エンジン』のスキルを十分に発揮させた指導スタイル」
として発展させられそうな「指導の種」を見つけ出していきます。

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最後に、話し合いの結果を学習指導案にまとめ、模擬授業スタイルで発表します。

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時間の都合で、各グループの持ち時間が少なく、十分な授業をしていただくことができず残念なのですが、それでも、いずれの先生方も限られた時間を生かし、それぞれ特徴ある授業、指導の観点が明確な授業をお見せくださいました。

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前回のセミナーでも感じたことなのですが、このセミナーの一つの魅力は、いろいろな学校の先生方と話ができることです。
一方的に話を伺う、受け身の講演形式ではなく、全国各地から集まった教師が、机を向かいあわせて、教材研究の中身や授業の工夫など、教師としての本質的な活動の部分において議論し、相互に良い刺激を受けることができる、主体的な活動の場になっている点が、このセミナーの魅力だと思うのです。

模擬授業を行っていただいた5名の先生をはじめ、ご参加くださった先生方、
ありがとうございました。

次回のセミナ―は12月7日(土)です。
テーマは「センター試験指導に生かす『論理エンジン』」を予定しています。
枠に限りはありますが、また多くの先生方とお会いできることを楽しみにしております。

2学期の授業が始まりました

今週の月曜日より、2学期の授業が始まりました。

今年度は月曜日がお休みとなる日が多いため、2学期の始業式を8月31日(土)に行い、
月曜日から通常の授業を始めました。

1年生の国語総合(現代文)の授業は、『論理エンジン』OS1:レベル8~10の総復習から
スタートです。

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復習なのでテンポよく確認をしていきますが、ところどころ大切なポイントでは、
近くの仲間と意見交換をしながら、学習を進めます。

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後半の授業では、(私の授業は50分×2コマの連続授業なのです。)2学期の学習における
メインテーマであるディベートに入りました。

ディベートについては入学直後の合宿(スプリングセミナー)などで学習していますが、しばらく間が空いてしまったため、テキストを使って基本事項を確認していきます。

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ひと通りの確認学習が終わると、論題(ディベートテーマ)の決定をしていきます。
最初のステップは、4人で1グループを作り、グループごとのテーマ提案です。
今回の論題は「政策論題」で提案することとしました。

S類生はContemporary issuesの取り組みを通して、一人ひとりが探究テーマを持っていますので、それらを軸に話し合いを進めていきます。

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グループからの提案論題を黒板に列挙し、全員の投票で決定していきます。

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今回生徒たちが決めた論題については、次回お知らせしたいと思います。

次回の学習は「情報カード」の作成と、立論の考案です。
プロフィール

2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。

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