5月25日(土)、本年度第1回目の保護者講座を行いました。
タイトルは「大人に効く『論理エンジン』」です。
この講座は2009年度より、年に2~3回のシリーズで実施しており、毎回100名を超える保護者の皆様にご参加いただいている講座です。
昨年度は他の講演活動とのスケジュールの折り合いがつかないことが多く、1年間休講としてしまったため、今年度は、まずこの保護者講座の年間スケジュールを決定してから、他の活動を入れることといたしました。
今回は、その第1回目。
サブテーマとして、以下の3点を掲げ、それらについてお話をさせていただきました。
・「日本語を正しく使いこなしていますか」
・「言語は最強のコミュニケーション・ツール」
・「ソーシャル・スキルを高めるために、家庭でできること」
開智高校の保護者のみなさんは、我が子が『論理エンジン』の指導を受けていることはご存知ですが、自分自身は『論理エンジン』を体験されていません。
そこで、最初にわれわれ保護者世代が受けてきた国語教育の問題点を確認し、開智高校では『論理エンジン』を使って、どのような力を育てていこうとしているかについてお話をします。
メモを取りながら熱心に聴いてくださっていますので、とても話しやすく、レジュメから脱線してしまうこともしばしばです。
そのうえで、実際に自分自身の国語力がどの程度なのかを、『論理エンジン』OS1の
いくつかの問題に取り組んでいただき、自己検証していきます。
アラフォー世代になって、まさかテストされるとは思ってもいなかったはずです。
当然、みなさんの顔がややひきつった「笑顔」になります。
ですが、どの方も熱心に取り組んでいらっしゃいました。
もちろん「テスト」ではありませんから、指名してお答えいただくということはありません。
私が答えを発表していきます。
すると、その度に「アッ!」とか「エッ!」といった小声や笑い声が聞こえてきます。
隣の方と顔を見合わせる光景があちこちで見られます。
「日常生活で不自由しない程度の日本語」の心許なさを、大人にも実感していただくことが目的ですので、私の目的は、どうやら果たせたようです。
後半では、ソーシャル・スキルの形成に不可欠なコミュニケーション力についてお話をしました。
各ご家庭で、今日からさっそく実行していただける「具体的な取り組み」について提案させていただき、
「察しの良い親から、言わねばわからぬ親になりましょう」
という結論をまとめさせていただきました。
******************************************************************************
今回の講座にも120名を超える保護者の方々にご参加いただきました。
ご多忙の中ご参加くださいました皆様、ありがとうございました。
第2回の講座は7月に実施をいたします。
また楽しく学んでいきたいと思っております。多くの方のご参加をお待ちしております。
2013年05月
5月28
5月18
約一か月ぶりの更新です。随分とサボってしまいました。
5月も中旬となり、開智高校では来週から中間考査が始まります。
1学期の中間考査までには、スプリングセミナーやG.W.などがあるため、2単位の国語総合(現代文)の授業は思いのほか少なくなってしまいます。
今年度は6回の授業で考査を迎えることとなりました。
とはいうものの、S類では授業で取り上げた教材をそのまま試験に出すということはないので、(現代文は暗記力を試すわけではありませんからね)考査までに何回の授業が行われたかということは、あまり重要ではありません。
さて、今回は写真を中心として授業風景をお伝えしたいと思います。
S類に入学してきてまだ2か月足らずの生徒たちですから、今は「私の授業に参加するための『お作法』」を身につけている段階です。
彼らの、今までの授業参加スタイルは、まさに「授業を『受ける』」スタイルです。その時間、その場所に居さえすれば何とかなる、「受け身」スタイルです。このスタイルは、授業に参加する生徒にとっても、また授業を行う教師にとっても、実に「お気楽」なスタイルです。
しかし、このスタイルでは生徒は伸びません。正確に言えば、「その科目の能力が既に高い生徒」「その科目に高い興味関心を持っている生徒」は伸びますが、そうでない生徒の力は伸びることはありません。
なかでも特に可哀そうなのが、「その科目について、潜在的に高い能力を持っているにもかかわらず、今までの教育の中でその力を伸ばしてもらうことができてこなかった生徒たち」です。「智が開かれていない」わけですね。
今までにもこのブログで私の授業スタイル、あるいは開智高校の授業スタイルについては幾度となく取り上げてきました。そのスタイルとは「学びあい」です。
「学びあい」にもいろいろなパターンがあると思いますが、私の授業では「3つの要素」を同時進行でストレッチしていきますので、まずはその「お作法」に慣れることから始めるわけです。
ちなみに、3つの要素とは
① 「思考」と「試行」を繰り返し、自分なりの「至高」の結論を構成すること。
② グループメンバーとの話し合いを通して、多彩な思考ルートを疑似体験すること。
③ 自分の考えの発信と、相手の考えの受信を通して、ソーシャル・スキルを高めていくこと。
を指しています。
(1) 授業1・2回目
『思考ルート』を教材として、現代文学習について本質を見つめ直す学習から、今年度の学習がスタートしました。
学習のイメージをつかんだら、『論理エンジン』で、確認していきます。
まだまだ、個人活動での思考の深化も上手にいきませんし、グループでの話し合いもぎこちなさが残ります。
しかし、今年の生徒も先輩たちと同じように、「まずはやってみよう」という姿勢が旺盛です。これは、これからの能力開発において欠くことのできない、非常に重要な点です。
今年のS類生も楽しみです。
今回取り組んだ課題は「一文の、主語・述語を指摘すること。
そしてグループでの討議テーマは、
「小学3年生にわかるように説明する。」
としました。
小学3年生の段階では、まだ「主語」「述語」という言葉の定義が行われていません。それを踏まえて、どれだけわかりやすく、つまり論理的に説明できるかがポイントとなります。
説明対象である「他者」を明確に意識することで、論理的なアウトプットには他者意識が不可欠であることも体験的に学んでいきます。
どのグループも、いろいろな観点からアプローチしており、他グループの発表を聞くことで、さらに思考ルートの幅が広がっていきます。
(2) 授業3・4回目
ここでは『思考ルート』の学習が中心となります。
前回の『論理エンジン』の学習で確認した「文の要点」について、言語論的な観点から整理していきます。今回も学習活動の中心は「思考」「話し合い」「発表」「ルート共有」です。
(3) 授業5・6回目
ここからは、今までの学習内容をより実践的に検証していくために、教科書に入っていきます。教材としては 主に「教科書」と『思考ルート』とを使用します。
『論理エンジン』では扱われていない「まとまった文章」を使ってスキルの確認をしていくのですが、1年生のこの段階だと、教科書の文章に入った途端に、これまでに学習してきた「思考ルート」を忘れてしまい、中学校時代までの読解スタイルに戻ってしまう生徒が出てきます。そのやり方で国語の学力が伸びなかったことを、身をもって知っているにもかかわらずに…です。
習慣とは恐ろしいものです。しかし、それを徹底的に払拭しなければ、学力は伸びません。2年後の大学受験期になって、再び「現代文の成績を上げるにはどうすればいいですか。」と質問に来ることになってしまうのです。
これからしばらくの間は「習慣との戦い」になります。
中間考査が終わると1週間で文化祭(時鐘祭)です。
考査の1週間前である現在は、文化祭の準備も部活動もすべて活動禁止となっています。
文化祭のことも気になるでしょうが、今は考査に向けて集中・集中!
5月も中旬となり、開智高校では来週から中間考査が始まります。
1学期の中間考査までには、スプリングセミナーやG.W.などがあるため、2単位の国語総合(現代文)の授業は思いのほか少なくなってしまいます。
今年度は6回の授業で考査を迎えることとなりました。
とはいうものの、S類では授業で取り上げた教材をそのまま試験に出すということはないので、(現代文は暗記力を試すわけではありませんからね)考査までに何回の授業が行われたかということは、あまり重要ではありません。
さて、今回は写真を中心として授業風景をお伝えしたいと思います。
S類に入学してきてまだ2か月足らずの生徒たちですから、今は「私の授業に参加するための『お作法』」を身につけている段階です。
彼らの、今までの授業参加スタイルは、まさに「授業を『受ける』」スタイルです。その時間、その場所に居さえすれば何とかなる、「受け身」スタイルです。このスタイルは、授業に参加する生徒にとっても、また授業を行う教師にとっても、実に「お気楽」なスタイルです。
しかし、このスタイルでは生徒は伸びません。正確に言えば、「その科目の能力が既に高い生徒」「その科目に高い興味関心を持っている生徒」は伸びますが、そうでない生徒の力は伸びることはありません。
なかでも特に可哀そうなのが、「その科目について、潜在的に高い能力を持っているにもかかわらず、今までの教育の中でその力を伸ばしてもらうことができてこなかった生徒たち」です。「智が開かれていない」わけですね。
今までにもこのブログで私の授業スタイル、あるいは開智高校の授業スタイルについては幾度となく取り上げてきました。そのスタイルとは「学びあい」です。
「学びあい」にもいろいろなパターンがあると思いますが、私の授業では「3つの要素」を同時進行でストレッチしていきますので、まずはその「お作法」に慣れることから始めるわけです。
ちなみに、3つの要素とは
① 「思考」と「試行」を繰り返し、自分なりの「至高」の結論を構成すること。
② グループメンバーとの話し合いを通して、多彩な思考ルートを疑似体験すること。
③ 自分の考えの発信と、相手の考えの受信を通して、ソーシャル・スキルを高めていくこと。
を指しています。
(1) 授業1・2回目
『思考ルート』を教材として、現代文学習について本質を見つめ直す学習から、今年度の学習がスタートしました。
学習のイメージをつかんだら、『論理エンジン』で、確認していきます。
まだまだ、個人活動での思考の深化も上手にいきませんし、グループでの話し合いもぎこちなさが残ります。
しかし、今年の生徒も先輩たちと同じように、「まずはやってみよう」という姿勢が旺盛です。これは、これからの能力開発において欠くことのできない、非常に重要な点です。
今年のS類生も楽しみです。
今回取り組んだ課題は「一文の、主語・述語を指摘すること。
そしてグループでの討議テーマは、
「小学3年生にわかるように説明する。」
としました。
小学3年生の段階では、まだ「主語」「述語」という言葉の定義が行われていません。それを踏まえて、どれだけわかりやすく、つまり論理的に説明できるかがポイントとなります。
説明対象である「他者」を明確に意識することで、論理的なアウトプットには他者意識が不可欠であることも体験的に学んでいきます。
どのグループも、いろいろな観点からアプローチしており、他グループの発表を聞くことで、さらに思考ルートの幅が広がっていきます。
(2) 授業3・4回目
ここでは『思考ルート』の学習が中心となります。
前回の『論理エンジン』の学習で確認した「文の要点」について、言語論的な観点から整理していきます。今回も学習活動の中心は「思考」「話し合い」「発表」「ルート共有」です。
(3) 授業5・6回目
ここからは、今までの学習内容をより実践的に検証していくために、教科書に入っていきます。教材としては 主に「教科書」と『思考ルート』とを使用します。
『論理エンジン』では扱われていない「まとまった文章」を使ってスキルの確認をしていくのですが、1年生のこの段階だと、教科書の文章に入った途端に、これまでに学習してきた「思考ルート」を忘れてしまい、中学校時代までの読解スタイルに戻ってしまう生徒が出てきます。そのやり方で国語の学力が伸びなかったことを、身をもって知っているにもかかわらずに…です。
習慣とは恐ろしいものです。しかし、それを徹底的に払拭しなければ、学力は伸びません。2年後の大学受験期になって、再び「現代文の成績を上げるにはどうすればいいですか。」と質問に来ることになってしまうのです。
これからしばらくの間は「習慣との戦い」になります。
中間考査が終わると1週間で文化祭(時鐘祭)です。
考査の1週間前である現在は、文化祭の準備も部活動もすべて活動禁止となっています。
文化祭のことも気になるでしょうが、今は考査に向けて集中・集中!
2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。
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