2013年02月

授業見学(『思考ルート』と学びあい)

26日(火)には、大阪からD中学高等学校の先生が授業見学にいらっしゃいました。
今年度9校目の授業見学です。
D中学高等学校は関西屈指の私立大学の附属学校ということもあり、多くの生徒が系列の大学へ進学するとのこと。そのため、大学受験に気を取られることが少なく、学びの本質を生徒に伝えていくことを柱とされている学校です。
今回の訪問では『論理エンジン』『思考ルート』の指導だけでなく、開智が実践している「学びあい」の実際を見学されたいとのことでした。

授業は、いつものように『思考ルート』と学びあいによって進んでいきます。

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各グループでの解答根拠の解説発表(思考過程の表現)を行います。

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それをクラス全体で検証し、もう一度グループで議論するスタイルも、いつもと同様です。

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この学習スタイルにもすっかり慣れ、「学びあい」の目的も理解している生徒たちです。
なかには、グループの枠を超えて、隣のグループの議論に参加しだす生徒も出てきます。
とても良いことです。

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見学されていたD中学高等学校の先生も、S類生の「学びあい」クオリティの高さに、しきりに感心されていました。外部の先生に対して身内を褒めるのは気が引けましたが、私の目から見ても、生徒たちの成長は著しく、ハイレベルな学びあいをしていますので、お褒めの言葉をそのままありがたく、頂戴しました。

ご多忙の中、お越しくださいましたO先生、ありがとうございました。
先生の、国語指導に対する熱意がひしひしと伝わってくるご訪問で、私も多くのことを学ばせていただきました。
生徒の活動をご覧いただき、少しでも参考となることがあればと願っております。

授業見学(『思考ルート』と教科書)

今週になって、埼玉は真冬の冷え込みになっています。先週末の気象情報では、雪の予報も出ていましたが、雪になることもなくほっとしています。
そのような寒さの中、19日には神奈川県の私立中高一貫校の先生方が授業見学にいらっしゃいました。伝統ある名門進学校の先生方ですが、受験指導だけでなく、本物の思考力や論理力を育てていくことを大変に重視されており、『論理エンジン』を用いた教育に強い興味と関心を抱かれています。


3学期になり、授業もまとめの時期に入っていますので、今回は教科書教材を使って『論理エンジン』のスキルをどのように生かしていくのかという観点でご覧いただきました。
来校された先生方の学校は男子校ということで、男子の割合が多いクラスでの授業です。

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今回の授業の中心課題は段落のポイントをおさえながら、文章全体の論理構成を明確にすることにあります。
いつものように前時の振り返りをした後は、『思考ルート』を使って、まず一人ひとりが課題に取り組み、その思考内容をグループで検証します。

ひと通りの検証が終わると、グループでの検証結果を黒板で発表し、全体で問題点を確認し、より良い解決案へと高めていきます。

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なぜそのような案になったかの解説は、グループの代表者が行います。

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この時期になると、各グループでの話し合いがすでに論理的に行われているので、発表内容について教師が口出しする必要はほとんどありませんが、生徒たち自身もそれと気づいていないような「鋭い切り口」を持った発表もあるので、その部分については私が指摘し、教室全体で共有していきます。

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それらの指摘を踏まえて、最後にもう一度課題の最終検証を個人で行い、次の課題へと進んでいきます。

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『論理エンジン』や『思考ルート』の指導で最も重要な時期は何と言っても「導入期」です。
その意味では導入期の授業を見ていただく方が、参考にしていただくことができる点は多いのかもしれません。
しかし一方で、3学期の授業を見ていただくことで、「中学生が、1年足らずでここまで論理的に思考できるようになる」という現実を見ていただくこともできます。
今回は「結果」だけをお示しすることになってしまいましたが、少しでもお役に立てていれば嬉しく思います。

寒い中、朝早くからご来校いただいた先生方、ありがとうございました。

来週は大阪から授業見学にいらっしゃる予定です。その様子についてはまたこの場を借りて報告させていただきます。

まとめの季節

1月下旬には、開智学園の入学試験(中学校・高等学校)が行われ、多くの受験生たちが、
今までの成果を競い合いました。
今年は、埼玉でも珍しく雪の降る日があり、残雪の中での入試です。

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一方で在校生は1年間の学習のまとめの時期を迎えています。
『思考ルート』の学習の最終単元となり、今年学習してきた『論理エンジン』のスキルを
いろいろと積み重ねながら、教科書を読み進めていきます。

現在学習している教材「映像文化の変貌」は、『論理エンジン』のスキルを確認するのに
適した教材ですので、『思考ルート』にしたがって読解を進めていきます。

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約1年間、私の授業を受けてきた生徒たちですので、一人ひとりで取り組む学習が持つ
「学びの意義」と、学びあい学習の「目的」とを確実に踏まえた学習ができています。

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そのような「学びの姿勢」が身についている学習集団に対して教師がすることといえば、
相互学習の様子を確認しながら、承認を与えることと、さらに深い思考ルートに気付かせる
ための質問を投げかけるだけです。

各班で思考した課題についての解決案(いわゆる答案)について発表し、相互検証をします。

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この相互検証を通して、課題解決のための、さらに多彩な視点・観点を手にしていきます。

このような学びを継続していくことで、生徒たちは、「知識とは、あてはめるものではなく、
使うものだ」ということを経験的に身につけていくようになるのです。

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S類の3年生たちは、あと10日ほどで国公立の前期試験を迎えます。
また、私大のほうは山場である慶應・早稲田の入試の真っ只中です。
すべてのS類生が、S類での学びの成果を存分に発揮してくれることを、心から願っています。

そのような緊張感あふれる日々の中、嬉しい知らせも続々と届き始めています。
国立大学の推薦・AO入試の結果、
・東北大学 医学部 医学科
・名古屋大学 医学部 医学科
・お茶の水女子大学 生活科学部 人間生活学科
・東京農工大学 農学部 共同獣医学科
などに合格した生徒が、満面の笑みで合格報告に来てくれました。
どの大学も人数枠が数名~十数名という狭き門ですが、3年間の努力の結果、
見事に難関を突破したのです。
ひたむきな努力が報われたその顔は、とても晴れやかで、輝いています。

私立大学でも合格発表が始まっており、国公立前期試験が終わると、喜びの報告が
どっと来ると思います。

各学年、それぞれのまとめをするこの季節。すべてのS類生が笑顔の「まとめ」ができるよう、
私も最後までサポートしていきたいと思います。
プロフィール

2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。

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