2012年12月

授業見学(ディベート・論理エンジン・思考ルート)

今日は神奈川県から私立S学園中学高等学校の先生方が授業見学にいらっしゃいました。
2学期になってから3校目の授業見学です。

今日の授業はディベート学習のまとめです。
前回までの4時間の学習を通して、生徒たちは立論の作成・情報の収集と分析、
そしてサンプルディベートを終えています。
今回の授業は、互選によって選ばれた2チームによるディベートマッチから始まりました。

〇 論題は「日本は死刑制度を廃止すべきである。」
  肯定側から論題の定義がなされ、立論の陳述が行われます。
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〇 作戦タイムです。ジャッジはジャッジシートの記入を行います。
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〇 質疑応答そして論戦へと進んでいきます。
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この後、結論の陳述を経て、最終ジャッジとなります。
今回のディベートマッチでは肯定側(死刑制度の廃止を主張)の勝利となりました。

ディベートマッチ終了後は、ディベートテキストを使って、ディベート学習の総復習を行います。
使用するディベートテキストは、『思考ルート』の別冊テキストです。
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ディベート学習において取り組む立論の作成ルートは、論説文の読解ルートの逆ルートになって
いますが、生徒たちは、このことを「意図的に」とらえることができていません。
もちろん「体験的に」理解している生徒はたくさんいますが、その状態は感覚的理解にすぎず、
そのような経験を単純に積み重ねさせても、論理的な思考力の育成にはつながりません。
立論の作成においても、論説文の読解においても、どこに目を向けて論理を構築あるいは理解
していくのかを「わざわざ」意図させることが極めて重要です。
意図的な学習は、生徒にとっての「学習目的の明確化」をもたらすと同時に、学習効果の飛躍的な向上が見込める方法といえます。

今回の授業では『論理エンジン』のOS2:レベル15・16を使って、「話題と主張」(ディベートでは
「論題」と「立場」)について整理し、主張と論拠との関係について確認しました。
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個人で問題に取り組んだ後は、いつものようにグループになって解説づくりです。
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論理エンジンの各設問について、指名されたグループが解説していきます。
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解答がある程度の長さの文章になる部分については、黒板を使って解説します。
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最後に全体を整理して、まとめとします。
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ご来校いただきましたS学園の先生方、ご参観いただき、ありがとうございました。
授業後の情報交換会ではとても参考となるお話を伺うことができました。
これからも継続的に実践交流をさせていただければと思います。

今日で2学期の現代文の授業は終了です。
今週後半からは学期末考査。そして25日からは年またぎの冬期講習が始まります。

太宰府天満宮と飛梅

福岡研修会の翌日、太宰府天満宮をお参りしてきました。

いまさら説明するまでもありませんが、太宰府天満宮とは、

「天神さま(菅原道真公)をお祀りする全国約12,000社の総本宮と称えられ、
『学問・至誠・厄除けの神様』として、ご崇敬を集めて」
(太宰府天満宮のHP 
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/about より引用)
いる神社です。

あとひと月で本格的な大学受験シーズンとなるこの時期に太宰府天満宮を訪れる機会に
恵まれたのも、何かの吉兆かもしれません。

大宰府へは博多から約30分。市営地下鉄と西鉄を乗り継いで到着します。

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西鉄の二日市駅から枝分かれしている大宰府線を走っている電車は、とても趣のある
車両でした。駅名の看板にも梅が配されているところが素敵です。

駅からは参道を5分程度で抜け、境内へと入ります。
参道の両脇にはお土産屋と梅ケ枝餅のお店が軒を連ねています。

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心字池にかかる3つの橋を渡るとまもなく楼門です。(左の写真)
手水を使い、奥へと進むといよいよ御本殿です。(右の写真)

当日は土曜日。時刻が比較的早かったため、私はお参りしたときにはまだ
あまり混雑していませんでしたが、境内を散策し、帰るころには100人前後の人が
御本殿参拝のため、列を作っていました。

御本殿の左近(向かって右手)には御神木の「飛梅」が植えられています。

 東風ふかば にほひをこせよ 梅の花 あるじなしとて 春なわすれそ

と詠まれた、あの梅です。
その由来や伝説は、あまりにも有名ですが、実は私が飛梅を知ったのは、そのような
由来や伝説によってではなく、さだまさしさんの楽曲との出会いでした。
夢中でギターを弾いていた中学生の頃です。

そのころの「さだまさし」といえば、暗いイメージがある一方で、それとは真逆の明るさにも
人気が集まり、コンサートのチケットもなかなか手に入らない時代でした。
その彼が1977年(今から35年前ですね)にリリースしたのが「飛梅」という楽曲だったのです。
引用してみます。

   飛 梅    作詞/作曲 さだまさし

  心字池にかかる 三つの赤い橋は
  一つ目が過去で 二つ目が現在(いま)

  三つ目の橋で君が 転びそうになった時
  初めて君の手に触れた 僕の指
  手を合わせた後で 君は御籤を引いて
  大吉が出る迄と も一度引き直したね
  登り詰めたらあとは 下るしかないと
  下るしかないと気付かなかった
  天神様の細道

  裏庭を抜けて お石の茶屋へ寄って
  君がひとつ 僕が半分 梅ヶ枝餅を食べた
  来年も二人で 来れるといいのにねと
  僕の声に君は 答えられなかった
  時間という樹の 想い出という落葉を
  拾い集めるのに 夢中だったね君
  あなたがもしも 遠くへ行ってしまったら
  私も一夜で飛んでゆくと云った
  忘れたのかい 飛梅

  或の日と同じ様に 今 鳩が舞う
  東風(ひがしかぜ)吹けば 東風(こち)吹かば君は
  何処かで想いおこしてくれるだろうか
  大宰府は春 いずれにしても春

この歌にも歌われていますが、長年ずっと気になっていた「梅ケ枝餅」を境内にある
お茶屋さんでいただきました。

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シンプルですが、とてもおいしく、お土産にも買ってきました。
今度はぜひ梅の季節に訪れたいと思います。

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話はガラッと変わりますが、先日収録した、出口先生の「平成世直し塾」の放送が4日深夜に
ありました。
自分の声がラジオから流れてくるというのは、なんだか妙な気分です。

放送している「ラジオ日本」は神奈川県を中心とした放送局であるため、埼玉ではやや聴きにくく、
私は「radico.jp」(http://radiko.jp/#)で聴きました。
関東にお住まいの方はこちらがおすすめです。その他のエリアにお住まいの方は、
ぜひポッドキャストでお聴きください。

次回の放送は11日深夜です。こちらもよろしくお願いいたします。

プロフィール

2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。

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