2012年11月

福岡研修会

名古屋、東京に続き、今日は福岡県博多で研修会を行いました。
今回も出口先生とのコラボ講演です。

第1部は出口先生。『論理エンジン』のコンセプトや指導上のポイントなどが
非常にわかりやすく紹介されていきます。

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会場には、まだ『論理エンジン』の指導経験がない先生もいらっしゃるので、
出口先生のお話は「目からうろこ」のようです。
みなさんうなずきながら聴いてていらっしゃいます。

第2部では、私が話をさせていただきました。
今回のテーマは、開智高校での導入経緯の紹介と、実際の指導方法についてです。

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先生方の中には、『論理エンジン』や『思考ルート』の有効性については十分に
わかっていらっしゃるものの、具体的な導入方法について模索されていらっしゃる
先生も多くいらっしゃるので、できるだけ具体的に、本校の導入事例について、
お話しさせていただきました。

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授業の実践内容については、できるだけ細かい部分までお話ししようとしましたが、
時間が限られていることもあって、不十分なところもありましたが、多くの先生方が
熱心に聴いてくださり、できる範囲で時間を延長してお話しさせていただきました。

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講演後には、多くの先生方が質問に来てくださり、「論理教育」「国語教育」について
各学校が抱えている悩みや成功事例などをうかがうことができました。

埼玉と福岡では地理的隔たりだけでなく、文化も違うのだろうと思っていましたが、
教育については違いはないのだなあと実感することができました。
今日の講演をきっかけとして、九州の先生方との情報交流のパイプを持つことができたので、
自分の授業にもいろいろと活かしていきたいと思います。

本日ご参加していただいた先生方、平日の午後というご多忙な時間をやりくりしてお越しいただき、本当にありがとうございました。
これからも末永く、よろしくお願いいたします。

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せっかく福岡まで参りましたので、明日は太宰府の参拝に行きたいと思います。
センター試験まであとわずか。S類3年生の合格を祈願してきます!

ラジオの収録に行ってきました。

今日はラジオ日本の番組に呼んでいただき、収録に行ってきました。
出口先生がMCをしていらっしゃる「出口汪の平成世直し塾」という番組です。

この番組は「論理」や「国語教育」だけでなく、幅広い視野から現在の日本をとらえ、
改革のキーワードを探していこうという趣旨で構成されています。
さまざまな分野からのゲストと出口先生が対談する形式で進められているのですが、
12月は「論理力教育」がテーマということで、私にお声をかけて下さったというわけです。

今までの出演者の顔ぶれを拝見すると、とても私などが出る幕ではないのですが、
せっかくの機会ですので、参加させていただくことにいたしました。

スタジオに入って、出口先生と簡単な打ち合わせです。
手前の方が番組ディレクターです。
(ガラス越しの撮影のため、見づらくてごめんなさい)

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収録が始まりました。
開智高校での『論理エンジン』導入の経緯などから話を始めました。

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『論理エンジン』の指導メリットや、今年私が出版させていただいた『思考ルート』の
開発経緯のお話などもさせていただきました。

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無事収録が終わり、OKをいただきました。

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ラジオへの出演は初めてだったので、どのように話したらよいのか手探りだったのですが、
出口先生がとても上手に話を引き出してくださり、あっという間に収録が終わっていました。

出口先生、そしてアシスタントの江澤さん、ありがとうございました。

なお、今回収録した番組の放送日は以下のようになっています。(2週に渡って放送します。)
深夜帯ですので、リアルタイムでお聴きいただくのは難しいかもしれませんが、
ぜひお聴きいただければと思います。

また、ラジオだけでなく、ポッドキャストでもお聴きいただけます。
http://www.jorf.co.jp/PROGRAM/deguchi.php/

放送局  ラジオ日本 1422kHz

時 間  第1回 12月  4日(火) 26:30~26:45 …   5日(水)午前2:30~2:45ということです。
      第2回 12月11日(火) 26:30~26:45 … 12日(水)午前2:30~2:45ということです。

授業見学とディベート

今日は盛岡から岩手県立高校の先生方4名が授業見学にいらっしゃいました。
県内屈指の進学校の先生方です。

『論理エンジン』の授業の見学をご希望だったのですが、
あいにく現在はディベート学習に取り組んでいる時期でしたので、
ディベートの授業を中心に、少しだけ『論理エンジン』の授業を見ていただくことになりました。

私の授業は外部の方が見学されることが非常に多いので、生徒たちも見学されていることに
違和感がなく、自然な雰囲気の授業をご覧いただけています。

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今回の授業のテーマは「論題の分析・定義」と「立論構成の準備」です。


 
 …前回の授業で生徒たちは、以下の手順で論題を決めています。
   〈わたしの授業は通常2クラス合併で行っています。)

  ①一人一人が取り組んでみたい論題を1つ紙に書く。
  ②4人のグループでそれぞれの論題を持ち寄り、1つの論題に絞り込む。
    ・各クラス内で9つのテーマに絞られています。
  ③4人グループが4~5班集まって、その中で1つに絞り込む。
    ・各クラス内で2つのテーマに絞られています。
    ・2クラスで合計4つのテーマに絞られています。
  ④4つのテーマをボードに書き出し、1つに絞り込みます。

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  以上の結果、今回の論題は
  「日本は死刑制度を廃止すべきである。」
  となりました。
  論題としてはオーソドックスなものに落ち着き、ちょっと残念な気がしましたが、
  練習題材としては適切なテーマであるともいえます。


このテーマについて、今日は「分析・定義」を行います。

ディベートの入門期の指導においては、論題の「分析」と「定義」の指導が
とても重要です。
通常、論題の定義は「肯定側」が行うのですが、ディベートに習熟していない段階だと
この「定義」が適切に行えません。
また、肯定側が定義していても、否定側がその定義を無視した主張をしてしまい、
議論がかみ合わなくなってしまうことも頻繁に起こります。
したがって、入門期においては肯定・否定の立場を決める前に全員で論題を分析・定義
させる必要があるのです。

さて、論題分析・定義です。論題をパーツわけし、各パーツについてまずは個人で
分析していきます。それを持ち寄って、数人のグループでさらに検討を重ねます。

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(ここでの手順をすべてこのブログで紹介すると膨大な量になってしまいますので、割愛いたします。
この手順については『思考ルート』別冊のディベート教材に書いてありますので、参照されたい方は
水王舎にお問い合わせください。)


話し合いの結果、今回の論題について生徒たちは以下のような定義を導き出しました。

「法治国家かつ民主主義国家である日本は、法により命を奪う死刑という制度を
廃止すべきである。」

論題についての定義が共有できましたので、次に「情報の収集」と「立論の作成」という段階に
進みますが、ここで一度『論理エンジン』の学習に戻ります。扱う教材はOS2:L14です。
ここでは、「文章の要点をまとめる」ことを学習します。

論理的な読解と、論理的な文章作成とは表裏一体の関係にあります。今回生徒たちは
ディベートの立論作成を行いますので、その立論を論理的に、わかりやすく構成させて
いくために、このタイミングで
「文章の要点とは、文章の中でどのように立ち現われてくるのか」
ということを『論理エンジン』を使って確認させておくことは極めて効果的です。

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……今回の授業では、この後ディベートのチーム編成をし、立場を決め、次回の授業までに
情報を収集しておくことを指示したところで時間となりました。

この続きは、またこの場で紹介していこうと思います。

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盛岡からお越しいただきました先生方とは、授業終了後に、今日の授業の振り返りを含めまして、約2時間、いろいろなお話をさせていただくことができました。

東京・埼玉をはじめとして、関西・中部地方の先生方とお話をさせていただくことは多いのですが、
東北の先生方とお会いする機会は、今まであまりありませんでした。ですから、今回ご訪問いただき、たくさんの情報交換をすることもでき、とても勉強になりました。
また、「生徒たちの思考力を伸ばしたい」という強い思いをもって日々指導にあたっている仲間が東北にもたくさんいることを知り、とても心強く感じました。

日本各地で奮闘されている先生方に負けないように、わたしも一層努力していきます。
先生方、本日はありがとうございました。

東京研修会

7月の名古屋研修会に続き、今回は東京での研修会です。

会場は神田神保町にある日本工業大学専門職大学院の神田キャンパス。
ここは神田神保町の古書店街の中にあります。
折しも当日は「第53回 東京名物 神田古本まつり」の最終日。
会場の目の前の歩道は約500mにわたり、ずらっと古書店の出店が並んでいます。
街全体が「古本屋」といった風情です。

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今回の研修会も、地元の関東からだけでなく、東北や北陸、関西方面からも多くの先生方に
お集まりいただきました。

第1部は出口先生のご講演です。

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『論理エンジン』の教材観だけでなく、論理的に物事をとらえることの大切さなどについて、出口先生ならではの切り口でのお話しを伺うことができました。
まもなく『論理エンジン』の小学生版が発行されるとのこと。そちらも楽しみです。


第2部・第3部は、私が担当させていただきました。

第2部は「『論理エンジン』と『思考ルート』で育てたい力」という観点からの話をさせていただきました。

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今回参加をされた50名弱の先生方の中には、すでに『論理エンジン』『思考ルート』をお使いの先生方もいらっしゃれば、導入を検討されている先生方もいらっしゃいます。
日常の指導の中での悩みや不安を感じている先生もいらっしゃれば、「こんなやり方をしたらとてもうまく指導ができた」という成功体験をお持ちになっている先生もいらっしゃいます。

いろいろな環境にいらっしゃる先生方の、毎日の指導のお役に立てればとの思いで、毎回話をさせていただいておりますが、どの研修会でも先生方が熱心に話を聞いたくださるので、とてもありがたく感じています。
今回のように東京会場の場合には、埼玉県の県公立高校の先生方や私立高校の先生方もたくさん参加してくださいますので、特に楽しく話をさせていただいています。


さて、続く第3部です。
今までの研修会は第2部までだったのですが、今回は主催者である水王舎にお願いをして
第3部として「フリートークの座談会」を導入していただきました。

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今までの研修会・講演会では、私から一方的に話をさせていただき、そのあとで質疑応答の時間を取るという方法でした。
この方法では質問者と私との間のやり取りはできるのですが、会に参加をした先生相互のやり取りができません。
参加をされる先生方の立場に立てば、「いろいろな現場での実践事例を知りたい」「悩みや成功体験を共有したい」という思いを、恐らくお持ちだと思うのです。
そこで今回は参加者同士が自由に意見を交換できる場を設定してもらったわけです。
結果的にはこの目論見は成功しました。
多くの先生方から自校の実践例や悩みなどが披露され、共有させていただくことができました。
時間が足らず、第2部の話をもっと短くしてもよかったなと感じるほどでした。
次回以降の研修会でもぜひ取り入れたいと思います。

今回参加をしていただきました先生方、ありがとうございました。
豊かな日本語の使い手を育成していくために、これからも一緒に取り組んでいきましょう。

次回の研修会は今月末に行われる福岡県の博多研修会です。
九州の先生方、よろしくお願いいたします。
プロフィール

2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。

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