文の要点については、思考ルートに沿って、「素早く、的確に」おさえることが
できるようになってきましたので、それを「段落サイズ」に発展させていきます。
ここでの学習ポイントは、段落を構成している各文の要点を「見比べる」ことです。
教科書を「読み流す」ことがなくなった生徒たちも、その読解の中から拾い上げた
要点を「読解と同時進行で的確に選別する」ことは、まだできません。
漠然と「このあたりが大事そうだな」といった程度の選別ならみんなできます。
そして、対象となる文章が、いま扱っている教科書の文章なら、その「勘」も当たります。
しかし『思考ルート』で身につけてほしい読解力は、そのレベルではありません。
「勘」では読めないような難しい内容の文章であっても、
論理で「大事なところに的確にアプローチできる読解力」、そのような盤石な読解力を
身につけていくことが、今の学習の狙いです。
その意味でも、現在の学習で大切なのは「意図的に読解する」ということになります。
焦らず、あわてず、そして慢心せず、丁寧に学習してくことが、とても大切な時期なのです。
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●前の時間のおさらいです。一文の要点をとらえるルートを確認します。
●『思考ルート』に沿って、教科書を読んでいきます。
●まとめた「段落の要点」をボードで発表します。
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『論理エンジン』『思考ルート』の指導・学習は、初めが肝心です。
学習する生徒もそうですが、特に指導する教師は、このことを強く認識しておく必要があります。
どのような力を身につけさせるために授業を行っているのか、自分の指導の「目的」を見失ってはいけません。そして「目的」を達成するためには、安易な妥協も禁物です。
教科書や問題集を「こなす」ことが目的なのか、教科書や問題集を通して、生徒を「伸ばす」ことが目的なのか、
この問いは、授業の前に、毎時間必ず自問自答する、私自身の問いでもあります。