緯度にして、奄美大島から仙台あたりまでの移動となります。時差も1時間あります。
気温はヒューストンに比べて10℃以上低めとなり、朝晩はかなり冷え込む感じです。
移動日当日はナショナル空港からホテルに直行してしまうので、現地での活動はありません。
翌23日(日)はスミソニアン・ナショナル・モールでのグループ研修です。
この地区には数多くの博物館や美術館などが立ち並んでいます。
これらの博物館はイギリス人の科学者ジェームズ・スミソンが、「知識の普及と向上」にと
委託した遺産を基金としてつくられた「スミソニアン学術協会」が運営しています。入館料は
すべて無料です。
生徒たちはいろいろな施設を訪れながら、自分の研究テーマについての情報を収集するのです
が、残念ながら自分の研究テーマにぴったり合った博物館が都合よく存在するわけでは
ありません。
そこで大事になるのが「見せられるのではなく、自分で見る」姿勢ということになります。
この地区にある博物館の中に展示されているものは学術的に極めて価値の高いものばかりです。
しかし、それらは「事実」としてそこに存在しているのであって、
解釈をまとっているわけではありません。
ここでは「本物」=「事実」を間近に、あるものは直接触れて観察することが可能です。
しかし、「見せられている」者にとっては、その価値は受動的です。自分自身が主体的に「視点」
(=目的、切り口)を持って「事実」と対面することによってはじめて、その「事実」は
真の価値を持ちます。
自分が主体的に解釈することによって、単なる事実が「価値ある事実」に変貌するわけです。
ステゴザウルスの化石を通して環境問題を考え抜く。
飛行機の進化の過程を通して平和を考える。
ホロコーストの現実から歴史を考える。
ダヴィンチの絵画から…。
思考の広がりは無限大です。
生徒たちは電子辞書片手に説明文を一生懸命に読んでいます。
あとはそれをどう「解釈」してくれるか…です。
最終論文、期待しています!