OS3へ

久しぶりの更新になってしまいました。

昨年10月末にベネッセのVIEW21に私の授業が取り上げられたこともあり、
他県からいくつもの学校の先生方が授業見学にお越しになりました。

『論理エンジン』の存在は知ってはいたものの、実際の授業でどのように使われているのかを
ご存じなかった先生方に、実際の授業を見ていただく機会が増え、『論理エンジン』の強みを
実感していただけたのではないかと思っています。

3学期からはOS3に入りましたが、1月中は本校の入試があるため、なかなか落ち着いて
授業を行うことができません。
入試も終わり、いよいよ明日からは2月。3年生は私立大学受験が本格化する時期に
なるとともに、1・2年生が1年間の学習の総まとめの時期になります。

OS3の学びポイントは「要点」。
「内容」からアプローチすれば簡単に「要点」がまとめられる文章について、その思考ルートを
論理的に再構築する学びです。
今まだ学んできたお作法をどれだけ再現できるか、生徒たちの「本気」を確認していこうと
考えています。

ディベート

 2学期が始まって1ヶ月が過ぎました。
 予定通り、ディベート漬けの現代文授業を行っています。

 今年のクラスは6班構成ですのでディベートテーマは3つ設定しました。
 生徒一人あたり2つのテーマを、最初の授業までにClassiのアンケートフォームで提出するように指示しました。
 
 ※Classiはご存知の方も多いと思いますがClassi社が販売している総合的な学習支援ソフトです。本校では今年度より導入していますが、非常に多機能なのでまだ全体の10%も使えていないのが現状ですが、授業や行事の振り返りを記録することなどから、少しずつはじめているところです。

 生徒が提出してきたテーマについて、まず私が検討します。ディベータブルであるか、価値論題になっていないかなどの観点で検討し、不適格なものはこの段階で没にします。
 そして、適格であった論題をすべて生徒に開示し、生徒たちが投票により3つの論題を決定します。
 今年の論題は、
 ①日本は同性婚を認めるべきである。
 ②日本は死刑制度を廃止すべきである。
 ③日本は安楽死を認めるべきである。
となりました。
 ②、③は言ってみれば「定番」のテーマですので、多少面白みに欠けるなあとは思いましたが、生徒たちの投票で決定した以上、わたしが口を挟む余地はありません。
 ①については、今まで授業で取り上げたことがないテーマなので、どこまで議論が深まるか楽しみです。

 論題が決まったので、後は抽選により担当テーマと立場が決まります。
 教室の中には中学校でディベートを経験したことがある生徒もいます。しかし、実はディベートという名のディスカッションを経験してきたというケースがほとんどなので、自分の考えと逆の立場を担当することになると戸惑ってしまいます。
 しかし、この戸惑いこそがディベートの目的にアプローチする動機として最適なものです。そこを拾って授業を展開していきます。

 私の授業は、私が書いているディベートテキストを使って行うので、短時間で準備を進めることができます。授業を2時間連続にしている点も効果的な授業運営のポイントです。
 今回はテーマ決定から立論と論理構成のヒアリング、そしてサンプル・ディベートの実施まで3回の授業(計6時間)で到達しています。

 来週は最終ディベートです。
 終わりましたら、その感想を書きたいと思います。
プロフィール

2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。

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