思考力・論理力・表現力セミナー(京都)

 昨年度まで実施していた「論理エンジンセミナー」を改訂し、今年度からは「思考力・・・セミナー」としました。
 高大接続改革、学習指導要領の改訂、新入試と、高校の教育現場を取り巻く環境は急速に変化しています。この変化は教師にとって「授業改革」「教科指導法の開発」などの観点からも非常に良い機会です。
 そこでこのチャンスを上手にとらえ、より具体的な指導手法・技術を多くの先生たちとともに考えていくことができる場となるよう、セミナー・コンテンツを一新しました。
 
 その第1回目が京都です。
 真夏のような暑さの中、公立・私立問わず多くの先生方がご参加くださいました。改めて今回のテーマへの関心の高さを実感させられます。

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 今日のセミナーは大きく2つの枠でお話しをしました。

(1)高大接続改革の全体像の確認と、新学習指導要領の分析
(2)私が開智高校でおこなっている実践の紹介

 (1)については数年前から多くのセミナーが催されています。何にフォーカスして取り上げるかによってセミナーの性格も変わってくるわけですが、わたしは国語科、特に現代文指導者としての視座からお話をさせていただきました。

 (2)については、
   ① 3年前から取り組んでいる、「マイコン」と名づけた「思考・表現」学習メソッドについて
   ② 私自身が現代文教師としてライフワーク的に取り組んでいるディベート指導について
   ③ 論理エンジンの実践について
の3点のお話をさせていただきました。

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 限られた時間でしたので、実践の具体への踏み込みはどうしても浅くなってしまいましたが、セミナー後には多くの先生方が質問に集まってくださり、とてもやりがいのあるセミナーとすることができました。

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 来月には大阪でマイコンとディベートに特化したセミナーを開催する予定です。
 先月東京でおこなったセミナーを、さらに内容を充実させて大阪に持って行きます。
 多くの先生方にお会いできることを心から楽しみにしております。

授業005

 今日は、先日行った中間考査の答案返却日でしたが、授業のスタートはいつもと変わらず「マイコン」からです。

 今回のテーマは「妊婦が殺害された場合、加害者は二人に対する殺人罪で裁かれるべきだ」というものでした。
 かなり重いテーマでしたが、コメンテーターも聴衆としての他の生徒たちも一生懸命にこのテーマについて思考を深めていました。
 コメンテーターは全員が発表者の考えを支持しました。また支持根拠もおおむね同じ視点です。すなわち「胎児であっても命ある存在である。したがって・・・」というわけです。
 この段階で「マイコン」を終わらせることもできましたが、今回はあえて「発表者の意見を否定するコメントを考えてみよう」と問いかけてみました。加えて「今回のマイコンテーマを少し一般化し、『胎児に人権はあるか』という視点を加えたら、肯定・否定の論理構成は変わるだろうか」と投げかけてみました。
 するとあっという間に議論の輪があちこちに生まれ、活発な話し合いが始まりました。時間にすると3分間程度しか取れませんでしたが、それでも「否定的見解を発表できるかな」と問いかけたところ数人が挙手をし、発表してくれました。詳細は割愛しますが、「胎児に基本的人権を認めた場合・・・」、「胎児にとっての生存権とは・・・」など、さまざまな切り口からの意見が発表されました。
 今日の「マイコン」は、「命」と「法」という、とても似ていて、全く異なるものを扱ったため、哲学的思考のようなものを、生徒たちは経験できたのではないかと、私は感じています。

 さて、「マイコン」の後はOSです。今日はレベル4を中心に学習を進めました。レベル4からは「一文の要点」がテーマとなります。
 前時までに学習した「述語→目的語→主語」のルートをおさらいし、まずは各自で課題に取り組みます。その後グループで話し合い、その結果を黒板に書き出し、論証を加えていきます。
 まだレベル4段階ではグループ間での相違はあまり見られませんが、「同じである理由」を考えることも学習になります。

 今日の授業は、ここでチャイムとなりました。
プロフィール

2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。

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