SCIENCE LABO

今日はお台場にある日本科学未来館でのSCIENCE LABOです。

この企画はS類1年生の、いわば科学遠足なのですが、学習としては
Contemporary issuesの1プログラムとして位置づけられています。
また、間近に迫った、次年度の文理選択にも役立つ企画となっています。

朝9時半過ぎに生徒たちは直接現地に集合します。最寄駅はゆりかもめの
テレコムセンターですが、多くの生徒はりんかい線の東京テレポートを利用します。
東京テレポートの駅を出て、フジテレビを背にして歩くこと約10分。
日本科学未来館に到着します。非常に大きい建物ですので遠くからでもすぐわかります。
(隣がフジテレビの巨大な湾岸スタジオなので、あまり大きさの実感はわきませんが…)

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今日は開智のほかにも、いくつかの高校や中学校の生徒たちがが学習にきていました。

10時になり、いよいよ入館です。
生徒たちはあらかじめ3~4名でグループを編成していますが、このグループは
(あとで触れますが)プレゼンテーションのためのグループです。
館内ではグループで研修してもよいのですが、何を見たいのか、どんな研究をしたい
のかは一人ひとり異なりますので、原則としては個人研修になります。

個人研修ではひと通り見学した後で、特に自分が研究したいテーマについて掘り下げて
いきます。
生徒たちにはあらかじめ研究のためのシートを配布してあり、このシートに記入しながら
研究を進めます。

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この時に頼りになるのが「インタープリター」と呼ばれる、日本科学未来館の研究員の
方々です。

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それぞれの展示ブースにはこのインタープリターの方がいらっしゃり、質問に応じてくれます。
その分野の専門家ですので、知識はもちろん、研究実績も豊富です。
小中高生ばかりでなく、大学院で研究している学生や、企業で研究・開発をしている人も
この日本科学未来館を訪れるという理由がよくわかります。
とはいっても高校生相手に難解な説明をするというのでは、もちろんありません。
高校生には高校生が理解できるようにわかりやすく説明してくれます。

また、インタープリター以外にもボランティアとよばれる専門家のみなさんがいらっしゃいます。
この方たちは日本科学未来館以外のところで活動されていたり、かつて第1線で研究され、
現在は後進の指導に当たっておられる方などです。

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個人研修が終わると、グループごとに集合し、プレゼンテーションに移ります。
ここでは、ここまでに自分が研究した内容を、そのブースの前で班員にプレゼンします。
プレゼンの前は、プレゼンシートの最終仕上げです。
班員だけでなく、一般の方が一緒に聞いていることもあるのでちょっと緊張しますが、
発信力を磨くためには絶好の機会となります。

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このようにして、約4時間にわたる研修が無事終了しました。

日本科学未来館を訪れるのは今回が初めてではないという生徒も多数いましたが、
今回は展示を「見る」ためではなく、「自分でテーマを見つけ、研究し、発表する」
ための来館であったため、目に映るものも随分と違って見えたようです。

Contemporary issues 現地高校生との交流②

午前のプログラムが終わると、ランチタイムです。
ランチは学校のカフェテリアで楽しみます。

ペアになった生徒以外の生徒たちも一緒なので、カフェの中は大騒ぎです。
ペイント・ブランチの生徒たちは非常にフレンドリーなので、S類の生徒たちは
おされ気味です。

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ランチのあとは、再びペアで活動します。美術のクラスに参加する生徒もいれば
メディア論の授業に参加する生徒もいます。
日本と同じ科目もあれば、日本では考えられない科目もあり、生徒たちの反応も様々です。

生徒:「先生、数学は日本の方がかなり難しいことやってますよ~」
教師:「じゃあ、教えてあげたら? 英語で。」
生徒:「…」

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楽しく、充実した時間は、あっという間に過ぎてしまいます。

最後はフェアウェル・セレモニーです。
ペイント・ブランチの生徒たちが日本語で歌を歌ってくれたり、チア・リーディングを
見せてくれたり、バンド演奏をしてくれたりしました。
S類生も、知っている歌を一緒に歌い、最後にスピーチをして、いよいよお別れです。

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外に出て、迎えのバスが来るまでの間、一緒に写真を撮ったり、メールアドレスを
交換したりしながら、名残惜しい時間を過ごしました。

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……さて、Contemporary issuesの記事も、ずいぶんと長くなってしまいました。

生徒たちはこの後も、ワシントンD.C.での市内研修や、ペンタゴン・モールでの食事など、
いくつものプログラムを体験しているのですが、それらは割愛いたします。

最終日は午前2時30分に起床し、経由地のヒューストンまで約3時間、ヒューストンから
成田まで約14時間のフライトを経て、成田に到着します。
かなり疲れていると思われるのですが、アメリカでの様々な体験の余韻が残っているのか、
みんなとてもいい顔をしています。

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「高校生にはもったいない行事だ」
そのような評価も、当初は確かにあったこのContemporary issues米国研修ですが、
回を重ねるごとに、
「高校生の、この時期でなければできない体験がある」
ことを、私は強く実感しています。

この米国研修が、単に論文を書くための研修旅行ではなく、それ以上の貴重な体験が
一人ひとりのS類生に、確実にもたらされていると、今年も感じさせられた一週間でした。
プロフィール

2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。

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