クレオール①

『論理エンジン』OS4 レベル4が終わり、再び『思考ルート』に戻ります。
今日からは『思考ルート』の中心となる機能「教科書と論理エンジンとの連携」を実践指導していくフェーズです。

検定教科書は教科指導用の教材の一つにすぎませんが、その採択が義務付けられているという点において、他の教材とは大きく異なります。
言い換えれば、採択が義務付けられているという一点において、他の教材よりも優位にあり、
一般的には教科指導の中心教材として考えられています。

『論理エンジン』を採択している多くの学校で、『論理エンジン』の教育効果の高さを認識しながらも、その効果を生徒一人一人の学力に反映させていくことに苦慮している原因が、この「教科書=中心教材」という「慣習」「思い込み」にあるわけですが、その「思い込み」を払拭できる学校は、残念ながらあまり多くはありません。今でも多くの学校では教科書を中心教材として授業が展開されているわけです。

そのような「教科書中心授業」を行っている学校でも、そのスタイルを大きく変更することなく『論理エンジン』を導入することができるように開発したのが、『思考ルート』なのです。

本校では東京書籍の教科書を採択していますので、『思考ルート』も東書版を使用しています。
今日から4コマの予定で、導入単元「希望としてのクレオール」を扱います。
 ※以下の授業展開の紹介は、かなり簡略化しています。詳しい授業展開については『思考ルート』本冊で確認することができます。

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●はじめに『思考ルート』で、アウトライン読みとディテール読みとの特徴を確認し、
 まずは「慣れた読み方」で、全文を7分間で通読します。
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 ・「自分が『大切だ』と思ったところに線を引きながら読み進めるのがポイントです。

●自分が線を引いた箇所の特徴をまとめ、その部分についてグループで相互評価を行います。
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 ・この活動を通して「他者である筆者と『見解をそろえること』の重要性」を学んでいきます。

●通読が終わったら、ディテール読みに入ります。
 『論理エンジン』OS1レベル4と密接にリンクした学習となります。
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 ・文の要点をとらえ、それを段落の要点へと応用していくプロセスを、教科書の文章を使って
  確認していきます。
  『論理エンジン』とは違って、「高校生用の文章」を扱うため、やや時間はかかりますが、
  『論理エンジン』で「文の要点」についてしっかりと学習しているので、読解がブレません。

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次回の授業は一週間後。中間考査前日です。

『思考ルート』と学びあい

小学校・中学校でイメージづけられた「国語の勉強」と、『論理エンジン』『思考ルート』を核として
展開される「国語の勉強」との違いに触れた生徒たちは、
そのアプローチ方法の圧倒的な違いに、初めこそ戸惑いを示しますが、数時間の授業を通して、
間もなく順応できるようになります。

次のフェーズでは、国語の学習に対する意識改革の端についた生徒たちを
一つ上のステージに引き上げて行きます。
その原動力に私は「学びあい」を活用しています。

新しいことを身につけるときには、その基礎的な手順(思考ルート)については
「習う」ことが必要です。
しかし、それらの「お作法」をひと通り習った後には、そのお作法を身につけるための
「練習」が必要になります。

この「練習」のステップを、私は3段階に分けて指導しています。

① 自分一人の力で、基礎的な思考ルートを自在にたどることができる力を
  身につける段階。
② 友人と学びあうことで、自分にはない思考ルートを疑似体験し、複数の
  思考ルートをたどる段階。
③ 様々な「思考」ルートを、自分の力で「試行」することで、「至高」のルート
  にたどり着こうとする段階。

①・③は独習によって、②は学びあいによって達成されます。

今回の指導でいえば、『論理エンジン』『思考ルート』によって、論理的に現代文を理解するための基礎的な知識や方法を身につけることが①にあたります。
そして、①で自分なりに身につけたスキルを使っていくつかの課題に取り組み、その結果を共有する段階が②となるわけです。

今回は②の学習の様子を紹介します。教材は『論理エンジン』OS1:レベル6・7です。

●『論理エンジン』を使って、前回までに学習した内容について各自で確認学習を行います。
 (※ 私の授業では、生徒たちが班の形になって勉強するのが基本スタイルです。)
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●確認学習の内容をボードに書き、そのような結果になった「思考ルート」を発表します。
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●その内容について私がコメントをつけます。
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●次の課題については、まず自分で取り組んだ後、グループの仲間と思考ルートを共有します。
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●その結果、「自分たちとしての至高の解答プラン」をボードで発表します。
 ボードに発表された他のグループの解答プランを見て、さらに思考を深めます。
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初めのうちは、どうしても指導に時間がかかりますが、時間をかけて学習することには
意味があります。

従来型の国語教育では、「日常生活に困らない程度の日本語が使える」ことをもって
「多くの生徒は、日本語には不自由していない」と前提してしまっています。
そして、この不確実な前提の上に、国語の指導を成り立たせようとしているのです。
(今でもなおこの前提を持って指導している小・中・高が多数あることが、私にとっては
 驚きなのですが。)

本校に入学してくる生徒たちも、従来型の国語教育を受けていますので、自分自身の
国語力(日本語運用能力)がどれだけのレベルであるかの検証をせずに、義務教育を
終えてしまっています。 自分がそのような状態にあることすら自覚していません。

このような生徒たちの現状を認識せず、「日常生活に不自由しない程度の国語力」で
教科書の文章を読ませていくだけであれば、時間はかかりません。
しかし、そのことによって子供たちの「何が伸びるのか」私にはわかりません。

「伸ばしたい力がある」… だからこそ、ここでの指導には時間が必要なのです。

プロフィール

2000年度より開智学園の教育理念を具現化するための新教育システムの構築に取り組み、2005年度に「S類」をスタートさせる。独自に開発した【S類メソッド】の柱の一つに『論理エンジン』を位置づけ、3つの力(論理的思考力、判断力、表現力)の総合体としての「智力」の育成に大きな成果を上げている。また、独自の理論に基づく「ソーシャル・スキルの育成」も人間力の向上に大きな効果をもたらしている。 趣味はギター。

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